<概要/目的>
都立桜修館中等教育学校4年生の臨海実習に先立ち、磯採集の手法や系統分類学の基礎知識、鐙摺海岸で見られる生物に関するプレゼンテーションを行った。臨海実習の目的は、磯に生息する多くの生物を観察し、主に動物界における構成の理解を深める事である。従って、事前授業では磯採集における注意点の説明、生物の系統についての講義、臨海実習で見られる生物の紹介クイズなどを行った。これにより、事前に学んだ知識を生かして、実習当日に自ら臨海実習の意義等を考えながら採集ができるようになる事が期待できる。
<方法/企画としての特徴>
事前指導は、パワーポイントによるスライドを用いて、中等教育学校の多目的ホールで行った。実際の臨海実習を意識し、スライドは実物の写真を多く取り入れて作成した。特に採集時の服装や危険な生物など、特に知っておかなければならない項目はアニメーションを入れたり、説明時間を長くしたりといった工夫をし、当日安全に実習が行えるように努力した。また、より興味を持ってもらうために、生物はクイズ形式で紹介した。その中で、特に重要な内容は、カラー印刷のしおりを用意する事で、より一層内容を強調した。
<活動内容/具体的成果>
160人の生徒に対して、企画者3名でプレゼンテーションを行った(60分の授業)。
内容は以下の通りである。
1、生物の系統分類 (担当:奥溪)
分類学は、どんな学問で何のために存在するのか、分類はどうやって行うのか、の2点を、スライドを用いて説明した。わかりやすく伝えるために、身近な生き物や、海で見られる生き物を例に用いながら説明を行った。
2、臨海実習に関するクイズ (担当:富田)
本実習で例年見られる生物の写真を用い、磯に生息する様々な生物の分類や特徴を、クイズ形式で紹介した。クイズはすべて選択問題にし、解答を別途用意した解答用紙に書き込ませることで、生徒参加型のプレゼンテーションを行った。最後に正答数に応じてランク付けし、生徒の興味を引き付ける工夫をした。
3、磯採集の説明と諸注意 (担当:今泉)
磯採集の注意(観察の方法、スケッチのメリット、危険な生物の注意、ふさわしい服装など)と、潮の満ち引きの仕組み、当日の潮の状況について。磯採集のコツと、実習当日の干潮時が、いかに多くの生物の観察に適しているかを説明した。
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
例年、事前指導で話した内容が、当日頭に入っていない生徒が多かったので、今年は事前指導をかなり簡潔なものにした。内容も絞ったことで時間も短縮でき、後ろの方に座っている生徒も最後まで集中して話を聞いてくれて、改善の効果があったように感じた。(奥溪真人)
全員に磯採集の注意点をしっかり把握してもらえるよう、やや強い口調で話をした。多くの子はきちんと聞いてくれていたが、あまり聞いていない子も中にはいたので、もっとうまく話せたのではないかと反省した。当日は全員ふさわしい服装を着てきたが、結局泳ぐ生徒がでてしまったのは授業で危機意識を仰げていなかった証拠だと思う。もっと相手全員に伝わるように話すよう努力したいと思った。(今泉典子)
細かい説明をしても理解してもらえないし、忘れてしまうので概要をわかりやすくすることに努めた。多くの生徒はクイズに積極的に参加してくれたが、クイズの最後のほうになるとやはり飽きてしまったような感じが見受けられたのでもっと厳選する必要があると感じた。(富田千景)