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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 大学院生出張講義
実 施 者: 須川友実子(植物発生生理学研究室)、中嶋玲菜(植物系統分類学研究室)、富永賢人(分子遺伝学研究室)
実施場所: 都立新宿高校, 私立玉川学園
実 施 日: 2015年 6月 19日
対  象: 高校生(15〜30人)

<概要/目的>
研究室で行われている研究の最も基本的な実験を体験してもらい、その実験が大学の研究室でどのように活用されているのか知ってもらう。

<方法/企画としての特徴>
・都立新宿高校
 シダ・イネの観察(イネは解剖・スケッチも行った)
・私立玉川学園高等部
 大腸菌を用いたプラスミドDNAの抽出、電気泳動

<活動内容/具体的成果>
《実験に関する活動内容》
@様々なシダ植物の観察、シダ植物の有性生殖種と無配生殖種の識別(新宿高校)
Aイネの解剖(顕微鏡の使用方法、イネの構造(植物の構造)の観察・スケッチ)(新宿高校)
B大腸菌を用いたプラスミド抽出と電気泳動(玉川学園)

《講義に関する活動内容》

@実験内容に関連した内容についての講義を行った。
・シダ植物の生活環、被子植物(イネ)の構造について(新宿高校)
・大腸菌を用いた分子生物学の基礎(玉川学園)
Aそれぞれの企画者が所属する研究室の紹介を行った。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
《都立新宿高校での講義,実験》
シダの実験に関しては胞子嚢あたりの胞子数を計測してもらおうとしたが、事前に準備をしていたにも関わらず思うように胞子数を計測できなかったのが反省点である。しかし、普段シダ植物を見たことのない生徒が多かったので、様々な形態のシダ植物や胞子を見て反応が良かったので、興味をもってくれたと思う。講義としてシダ植物の生活環を話した後も、実験の合間に講義で話したことに対しての質問をしてくれた生徒もいて、興味をもってくれたようで良かった。
《私立玉川学園での講義,実験》
普段行ったことのないプラスミド抽出や電気泳動の実験を行ってもらうにあたり、分子実験ではよく使うピペットの使い方についても教えた。最初は持ち方や目盛りの合わせ方が分からない子が多かったが、実験を行ううちにほとんどの生徒が上手にピペットを使うことができるようになっていたので、良かったと思う。また、電気泳動してバンドが見えたとき等に生徒たちの反応が良く、DNA実験等の分子実験に興味をもってもらえたと思う。  (植物系統分類学研究室 M1 中嶋玲菜)
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《都立新宿高校での講義,実験》
イネの解剖実験自体を簡単にしたが、それでも高校生にとっては新鮮な内容だったようである。今回は顕微鏡の光源の数が少なく、4人で1台という形になってしまったのが残念である。自分の研究について分かりやすく説明する工夫が必要だと思った。研究や実験の説明において、高校生に問いかける形にすると理解度が高くなるのではないかと思った。また、講義や実験の説明をするに当たり、高校生の知識がどのくらいなのかを事前に知っておく必要もあると思った。
《私立玉川学園での講義,実験》
プラスミド抽出や電気泳動を行ったため、ピペットマンなどの実験器具の使い方を教えた。やはり事前に高校生がどのくらいの知識(実験に関する知識)を持っているかを確認しておくとより効率的に実験を進められたかもしれない。最終的にはピペットマンの使い方や実験の原理を理解してくれたようである。また、自分の研究について説明をしたが、新宿高校の時と違い、説明の前に実験(イネの解剖)をしていなかったため、伝わりづらかったように思う。実験をしない場合は、動画や写真などスライドや説明の工夫が必要だと感じた。
 (植物発生生理学研究室 M1須川友実子)

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《都立新宿高校での講義,実験》
事前に行っていた打ち合わせ通りに実験が上手くいかなかった部分もあったが、高校生は普段見慣れない材料を用いた実験に非常に興味を持って実験を楽しんでくれていたと感じた。今回の出張講義が新宿高校の高校生達に生物学にさらに興味を持ってくれるきっかけに少しでもなったことを期待したい。
自分の研究室紹介は高校で行った実験とは関連が薄く、また実験の時間が少し延長しいてしまったこともあり非常に短時間だったが、生徒たちが熱心に聞いてくれてうれしかった。
新宿高校では通常の授業時間内の実験を担当したため、実験時間が限られていたが、こちら側の準備不足がややあったこともあり少し延長してしまった。次回以降は予定の時間内に全てのことが円滑に進むよう打ち合わせ・事前準備をさらに徹底したい。

《私立玉川学園での講義,実験》
企画実施をお願いした高校の担当の先生が、この企画のための課外授業の時間を土曜日に長めに作ってくれたので、普段分子生物学にほとんど触れる機会の無い高校生にも少し発展的な内容まで伝えることが出来た。ピペットマンの使い方など基礎の基礎から実験のやや細かい原理まで扱ったので、かなり盛り沢山な内容になってしまったが、生徒たちは非常に熱心に実験に取り組んでくれていたし、多くの生徒が質問をしたりと積極的に参加してくれていた。生徒が非常に熱心であったので理解してくれたようではあったが、ややしゃべり過ぎた部分もあったので、次回以降はよりポイントを絞って伝えるように意識したい。
実験を行う上では、やや危険な試薬もあったが、高校の先生の方から高校生にもしっかりと周知徹底させるための指導や工夫を教えていただいたため、危ないことをする生徒もなく、スムーズに実験を行うことが出て、こちらも非常に勉強になったと思う。

(分子遺伝学研究室 M1 富永賢人)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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