<企画協力者> 斉藤早紀(発生生物学研究室 B4)
<概要/目的> 都立西高等学校の夏期講習における生物実験「ニワトリ胚の観察」のTAとして実験補助を行うとともに、発生生物学に興味をもってもうことを目的とした。
<方法/企画としての特徴> ニワトリ胚の観察を行うにあたり、まずは卵黄から胚を取り出さなければならない。そこで、比較的簡単に取り出せる2日胚を用いて、取り出し方とともに観察する上でのポイント・専門的知識もいくつか提供した。疑問点についてはその都度受けつけた。残った疑問点や気付いたことについてはスケッチ用紙に記入してもらった。また、3日胚になるとどうなっているか、どう形態が変化するかを予想してもらった。これは、取り出した胚は培養用ゲルを用いて1日培養し、翌日観察してもらうので、ただ見るだけでなく自分の予想とどこが合っていたか、予想とどう違ったかを考えてもらうために行った。
<活動内容/具体的成果> 用意された実習テキストを用いて簡単に実験の流れを説明し、その後、胚の取り出し方の実演を行った。全員が胚を取り出せるように、戸惑っている生徒には積極的に声をかけるよう心がけた。結果、全員が取り出すことに成功し、観察・スケッチをすることができた。担当教員からも、今年は成功率が高かったと言っていただけた。実習後は、本研究室で行っている研究や自分の研究内容について発表し、ニワトリ胚の発生について学ぶだけでなく、研究についても知ってもらう時間を設けた。
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)> 生徒全員が胚の取り出しに成功し、それぞれ自分の胚を観察することができた。また、観察中に様々な質問を受けたので発生生物学について興味をもってもらえたと思う。取り出した胚が異常発生していたものがあったので、正常な胚と比較してどこが違うか、どうして異常な発生をしてしまったのかなどのディスカッションができたので、私たちも生徒たちも有意義な実習を行うことができた。研究発表では、メモを取りながら集中して聞いてもらうことができた。しかし、発表後の質問では1~2個の質問しか出なかったので、あまり理解が出来なかったのではないかと感じた。専門的な言葉をできるだけ減らし、簡単な言葉を使って説明するように心がけたが、かえってそれが説明を分かりづらくしていたとのではないかと振り返ってみて思った。今後、専門外の人に研究を発表するときには今回の反省を生かし、使う言葉や言い回しなどを工夫して多くの人が理解できるような発表を心がけたい。
|