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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 大学院生による出張講義
実 施 者: 須川友実子(植物発生生理学研究室)、中嶋玲菜(植物系統分類学研究室)、富永賢人(分子遺伝学研究室)
実施場所: 都立新宿高等学校
実 施 日: 2016年 1月 15日
対  象: 

<概要/目的>

@高校生に大学で実際に使用されている研究材料を用いて簡単な実験を体験してもらい、大学での研究や生物学に対しての興味・関心・理解を深めてもらう。

A高校生に対して実験や研究を紹介することで、自らの研究を専門的な知識を持たない人に説明する練習をする

<方法/企画としての特徴>

@企画者(須川)の出身高校である都立新宿高校の生徒に対して、大学院生の研究に関する簡単な実験と、それに伴う講義を行った。

A実験内容は、土中の微生物の中から抗生物質を分泌する微生物を選別し、単離・培養する、というものである(昨年のノーベル賞に関する講義も併せて行った)。

Bそれぞれの企画者が所属する研究室の紹介を行った。これにより、大学院でどのような分野の研究が行われているのかを知ってもらう。


<具体的成果>

@スライド、発表共に分かりやすく、今後の発表に活かしたいというアンケート結果があったため、実験内容や研究内容について伝えることができたと考えられる。

A微生物の培養・単離の実験に対して興味を持ち、今後どんなことを研究したいかを考える機会になったと考えられる。さらに、高校生自身の進路決定のきっかけになったと考えられる。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
予め土壌細菌をまいておいたプレートから、放線菌っぽいコロニーを取りだして、大腸菌のまかれたプレートにそのコロニーをまいて生育状況をみる実験は、生徒がどのコロニーを取りだすかなど決めるのに楽しそうだったので良かった。今回の実験では、ピペットマンや菌をまくスプレッダーを利用したため、分子実験の基礎的な実験操作を確認できる良い機会になったと思う。
また、放線菌についてのスライドを作成し、講義を行った。自分では解りやすい講義を行ったつもりであったが、難しい用語があったとの意見が高校生からでたため、もう少し高校生でもわかるような言葉を使ったり、イラストの多いスライドを作るべきだったと思う。 
(植物系統分類学研究室 M1 中嶋玲菜)

抗生物質を分泌していると考えられるコロニーを選択し、大腸菌と一緒に培養する実験では、それぞれの生徒が考え、結果を想像しながら行っていたようだったため、実験の楽しさや面白さを理解してくれたと思う。また、簡単な実験を行った後に詳しい解説をしたため、微生物を扱う実験、分子生物学・細胞生物学的な実験や考え方を学んでもらえたと思う。また、発表やスライドの構成に関しては好評であったため、私たち自身の発表練習の良い機会でもあったと考えている。しかし、やはり単語が難しいなどの意見もあったため、さらに噛み砕いた説明を入れ、理解してもらう必要があると思う。 
(植物発生生理学研究室 M1 須川友実子)

今回の出張講義の本来の予定では、企画者の研究で行っている分子生物学の基本的な実験を行う予定であった。しかし、新宿高校では既にそれらの実験に近い内容を通常の授業内で行うことが決まっていたので、自分たちの研究とも関連はあるが日常的にはあまり行っていない実験を行った。こちらも慣れていないので、実験準備では不安な点もあったが、大きな問題もなく、高校の生徒も実験を楽しんでくれていたようであった。授業後に頂いた感想の中にも「生物学にますます興味を持った」という意見もあり、嬉しく思った。
 大学院生側が高校の授業時間を勘違いしてしまっていたため、本来もう少し長く時間を取るはずであった研究紹介の時間が短くなってしまったのが一番の反省点である。また、三名の企画者のうち、新宿高校が母校の企画者に高校との連絡係など多くの仕事が集中してしまったので、自分にももう少しフォローできる点があったと反省した。      
(分子遺伝学研究室 M1 富永賢人)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY