<企画協力者> 卒研生 植木晃弘、大塚夏海、新森友香
<概要/目的> オープンキャンパスに参加する高校生やその保護者の方々に、当研究室で行っている研究の紹介と分子生物学の基礎に関する展示を行なう。来場者の方に当研究室で用いている微生物や、分子生物学の研究の内容に興味をもって貰うことが目的である。企画者にとっても専門知識のない方に研究の概要を説明する能力の向上や、分子生物学の研究に対して理解を深めることが求められる。
<方法/企画としての特徴> 当研究室で研究に用いている大腸菌とシアノバクテリアについてそれぞれ展示を行った。表現型の違いなどを顕微鏡で観察することで理解がしやすく、高校生にも気軽に分子生物学の面白さに触れて貰える内容にした。また、実際の実験手法を見てもらうことで楽しみながら研究の一端に触れてもらえる工夫をした。
<活動内容/具体的成果> 1. 大腸菌の展示 ・培養の様子を展示:大腸菌を浸透培養している様子を見せ、増殖の速さなど大腸菌が研究材料として優れている点、分子生物学的な解析が最も進んでいるモデル生物の一つであることを紹介した。 ・高温感受性変異株の展示:遺伝子の機能解析に用いられる高温感受性変異株について説明をし、変異の表現型が見た目で分かる高温感受性変異体を顕微鏡で観察してもらった。野生型と比較することで視覚的な変化を見てもらい、この実験の意義と現象について説明を行った。
2. シアノバクテリアの展示 単細胞の種と多細胞の種の両方を顕微鏡で観察してもらい、さらに多細胞の種において細胞が分化した状態のものを観察してもらった。この分化細胞について、栄養細胞との違いや特徴を説明し、そのパターン形成について当研究室の研究内容を紹介した。また、アイスの着色料として使われる シアノバクテリアの光合成色素の色素抽出の様子を見てもらうことで、シアノバクテリアを身近に感じてもらえるよう工夫した。
3. 電気泳動の展示 実際の実験操作に触れて貰うために、複数のプラスミドDNAを電気泳動した様子を見てもらった。その原理や利用方法、必要に応じてプラスミドを用いた遺伝子の形質転換について説明を行った。さらに、分子生物学の研究により興味をもってくれた来場者の方にむけて当研究室で行っている研究の概要を紹介した。
<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)> 高校生向けのオープンラボということで、実験的な内容に少しでも多く触れてもらいたいという気持ちで準備を進めた。当日は研究に用いている生物ごとに大まかに担当を分け、それぞれ説明を行った。個人個人の理解度に合わせて説明の仕方や話の内容を工夫するのが難しかったが、概要をまとめたスライドを見せることで内容が伝わりやすかったと感じた。電気泳動の展示では、泳動後のDNAを見て驚いてくれたり質問をしてくれたりと反応がよく、楽しんで聞いて貰えたのではないかと思う。今回の反省点としては、展示の準備がギリギリになってしまったことと企画者内での情報の共有不足が挙げられる。事前に余裕を持って展示の準備をし、実施内容をしっかり共有していれば混雑時にも落ち着いて対応できたのではないかと感じたため来年に活かしたい。(飯田夏実)
今回のオープンラボでは、例年に比べて多くの展示物・説明用のスライドを用意した。これにより、必要な事前準備・片付けなどの作業は増えたが、高校生にとって今まで以上に私たちの研究に興味を持ってもらえる展示が出来たと感じた。また展示を増やしたことで、一度に多くの見学者が来た時にも人が一か所に固まりすぎず、比較的スムーズな見学ができるようになったと感じた。費用対効果は非常に大きかったと思うので、今後のオープンラボでも今回と同程度の展示内容を準備したいと感じた。やや危険な試薬を使った展示もあったが、安全管理を徹底したので危険な場面は特に見受けられなかったことも大変よかったと思う。 反省点としては、以前よりも改善したとはいえ、一度に多くの見学者が来た際にはまだ入り口付近に人がたまって入りにくくなる場面も見受けられたことが挙げられる。手が空いている学生が、空いている展示に見学者を誘導して説明をするなど、役割分担にもう少し工夫が必要であったと感じた。(富永 賢人)
展示物に関して、去年度は2項目の展示であったが、今年は一つ項目を増やして行った。幸いなことにオープンラボに訪れた人数も去年より多く展示物の増加は良い判断だったと考える。自分自身の専門分野に対する理解や興味が去年よりも深まったこともあり、より面白く説明できたと思う。訪れた高校生の中には、積極的に疑問や議題を投げかけてくる者がおり、彼らの知的好奇心を刺激できたのではないかと思われる。準備にあまり参加できなかったことは残念であった。(渡辺圭佑)
今回のオープンラボの第一の目的は、来場者に微生物の世界を身近に感じてもらうこと。正直、細かい研究内容や成果を理解してほしいとは思わず、何より触れ合ったり観察したりすることで、心に湧く興味や関心を引き出すことに専念した。 前回の反省点を活かし、来場者が多く訪れた際の対応やブースを多く用意することで分散させることができ、スムーズに行えたと思う。それでも、時折混雑する風景が見られたが、これは用意した内容による反響とポジティブに捉えようと思う。(小池洋輔)
記入内容の目安です。項目名は必要に応じて上書き変更して下さい。 グループでの活動は,最終項目のみ,全員記入ください.
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