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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 細胞遺伝学研究室、神経分子機能研究室 2016/11/5 オープンラボ 「ドロソフィラGO」
実 施 者: 大沼康平、大津佑太、中山モハメッド淳、根本美薫、馬渕郁美、Felipe Rogalski、岡未来子
実施場所: 首都大学東京 南大沢キャンパス 11号館 103号室
実 施 日: 2016年 11月 5日
対  象: オープンキャンパス参加者

<概要/目的>
私たちが研究に用いているキイロショウジョウバエは、一般の方にとっては害虫であるイメージが強い。しかし、そんなショウジョウバエは遺伝学・生化学において有用なモデル生物である。本企画では、ショウジョウバエの遺伝学・生化学における実験モデルとしての有用性を一般の方々に伝えることを目的とする。また、ポスター掲示により、当研究室が行う研究を一般の方に説明する機会となることを期待する。

<方法/企画としての特徴>
「突然変異体を探せ」
本企画は、野生型と突然変異体系統を提示し、突然変異体の表現型を探してもらう。遺伝子の変異が引き起こす形態異常を観察し、どのような機能を有する遺伝子に異常が起こることで突然変異が引き起こされるのかについて考えてもらう。これによって遺伝子とは何か、そして遺伝子の突然変異から何が分かるのかを解説する。
「進路相談コーナー」
進路相談コーナーを設け、中学・高校生対象に進路決定におけるアドバイスを行う。
「ポスター展示」
学生がポスター形式で、当研究室の研究内容を紹介する。ショウジョウバエをモデル生物として利用するメリットを来場者に説明し、来場者が大学で行われている最先端の研究を知る機会にしたい。

<活動内容/具体的成果>

企画者:自らが行う専門的な研究を、一般の方にもわかりやすく説明する訓練となること、および一般の方からの思いがけない質問や意見を通して、自身の研究を普段と違った視点で考える良い機会となることが期待される。
来場者:当研究室の分野に詳しくない方々にとっては、ショウジョウバエがどのように、なぜ、研究に利用されるのか知る機会となる。また、 生物学にある程度興味・知識のある方にとっては、遺伝学上で先端性のある内容を知ることができる。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
子どもからご年配の方まで多くの方が来場してくださって、様々な年齢層を対象に私たちの研究を紹介することが出来た。特に子どもに対しては難しい言葉を言い換え、各企画への興味を引くような説明ができたと思う。また、研究としての生物学に興味がある中高生や、ある程度知識のある大学生、一般の方には私たちが行っている研究の意義、ショウジョウバエを実験モデルとして用いる意義を伝えることが出来たと思う。しかし、多くの来場者が来てくださったことで、企画者側が少し慌ただしく、スムーズに来場者を各ブースに案内することが出来なかった場面もあったため、来年以降は各ブースにおける説明時間の短縮など改善に努めたい。(M1 根本)

2016年度のオープンラボは去年と比較して比較的来場者が多く感じた。今年は研究室という堅苦しい枠組みから抜けだそうと考え、私は特に来場者が楽しくなれる方法を模索した。持ち前の美的センスを活かし、黒板にイラストを描き来場者があたかもハエとファミリーになっているように見えるだまし絵を描いた。特に小中学生を中心に人気を博し、満足行くものとして仕上がった。レクチャー面ではハエのライフサイクルを説明した。人によっては気持ち悪くて直視できないという人がいたが、このときもイラストが役に立った。(M1 中山)

来場者が適度な頻度、数でやってきたため、一人ひとりにしっかりと説明することが出来た。ハエに対してどのように親しみを持ってもらうか工夫した企画を心がけた。特に、ハエのエサを来場者に見てもらうことで、親しみを得てもらうことに成功した。次回の課題としては、よりショウジョウバエを用いた研究に興味を持ってもらい、最新の研究を伝えていくことが出来る企画にする必要があった点があげられる。(M2 大沼)

私自身、大学祭でオープンラボを開催するのは初めてだった。来場者数や運営手順に関しては、すでに経験のある諸先輩方を見習った。そのため全体的な自身への評価としては、即戦力として活躍できたと感じている。オープンラボは、小学生を中心に非常に盛況であった。眼の色、翅の形や体色などに遺伝子変異をもつショウジョウバエを観察してもらうコーナーでは、なぜそのような変化が起こるのか、「遺伝子」とは何なのかを考えてもらえたと思う。来場者のショウジョウバエに対する反応は非常に素直であり、運営側も楽しく説明することができた。(M1 岡)

今回のオープンラボでは、来場者の多くが小さな子どもを含む家族であった。ハエの観察コーナーは身近な生物であるハエを改めて観察することができる企画であり、幅広い世代の来場者の興味を惹くことができた。しかし子どもたちの説明への理解度や、ハエを観察した時の反応は様々であり、保護者の方のフォローに助けられる部分が多かった。子どもが顕微鏡を扱う際の注意点なども含め、次年度以降対応を改善したい。また今回は、ポスター展示を訪問する人が少なかった。ポスターの内容が難しそうに見え、敬遠されてしまうことがないよう、適切な展示方法や解説者の配置を工夫する必要があると感じた。 (M1 馬渕)

大学祭におけるオープンラボには初めて参加した。前期のオープンキャンパスのときとは異なり、来場者は小さなこどもとその保護者が中心であった。来場者は「ハエを顕微鏡で見る」ということ自体にインパクトを感じ、楽しんでくれたように感じた。ただ、顕微鏡によるハエの観察の際にはワークシートなどの媒体を用いなかったため、注目してもらいたいポイントの説明に少し苦労した。小さいこどもは何か目的があるとより真剣に取り組んでくれると思うので、次回以降は媒体を用意するなどの工夫をしたい。(M1 大津)

今回のオープンラボでは、来場者に積極的に声をかけ、展示を見てもらうことが出来るように努めた。また、小中学生に対応して、わかりやすい言葉遣いをした。企画に関しては、昨年度から始めたショウジョウバエのエサを紹介するブースが予想以上に人気であり、嗅覚や触覚を用いて体験する企画は良いのだと考えた。ショウジョウバエの変異体を紹介する部分でも、実際に探させるなど様々な伝え方があるので、次回までによりよい方法を考察したい。(M1 Felipe Rogalski)



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