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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 都立桜修館中等教育学校臨海実習2017
実 施 者: 奥溪真人 (神経生物学研究室D3)、今泉典子 (神経生物学研究室M2)、近藤日名子、榎本萌花 (神経生物学研究室M1)、岸本渓、伊藤睦実 (動物生態学研究室D1)、神宮彬彦 (動物生態学研究室M2)、岸村真央 (動物生態学研究室M1)、高橋美由紀、古澤孝太郎 (神経分子機能研究室D3)、林下幹輝、菊池智尋 (神経分子機能研究室M2)、出井愛理 (環境微生物学研究室M2)、品田美緒 (環境微生物学研究室M1)、岩佐康之 (細胞生化学研究室M2)、酒井絵理佳 (植物系統分類学研究室M1)、中小路菫 (光合成複合微生物研究室M1)、古磯成美 (植物発生生理学研究室M1)、植木晃弘 (分子遺伝学研究室M1)
実施場所: 神奈川県葉山町鐙摺海岸
実 施 日: 2017年 5月 26日
対  象: 都立桜修館中等教育学校4年生160名

<概要/目的>
動物界には様々な門が存在し、海にはほぼ全ての門の生物が生息している。そのため、多くの動物門を観察するには海産動物採集が最適である。本実習は実際に磯へ行き、生活環境も含めた生物の観察を五感を使って行う。それにより生物の多様性を実感し、系統学的な動物界の構成についての理解を深めてもらう事が、本実習の目的である。


<方法/企画としての特徴>
臨海実習に先立ち、2日前の2017年5月24日に同学校で事前指導を行っている。
授業では当日の注意事項、生物の系統分類、当日みられる生物の説明などを行った。


<活動内容/具体的成果>
◎指導員の事前勉強会(5月17日)
採集における注意点などの説明を行い、生徒に指導するべき内容を共有した。また、これまで鐙摺海岸で採集した生物のリストを改訂し、実習で見つかる生物の名前や特徴、危険な生き物などを確認した。今年度も高校1年生が対象であったため、特に当日は安全面を重視するように説明した。

◎臨海実習(5月26日)
・採集準備(9:00〜10:00)
生徒の到着前に指導員は集合し、各自が事前に磯の下見を行い、前もって生物のいる場所や、行動していい範囲、そして危険な場所の確認を行った。
生徒が到着したら、指導員はあらかじめ決めておいた班(一班は約10人)の元へ行き、お互いに自己紹介をした後、注意事項、危険な生き物などの説明をあらためて行った。


・磯採集(10:00〜11:15)
準備ができた班から順に磯に出て、採集を行った。指導員は班員の安全を確認しながら、なるべく多くの生物を採集するように促した。生徒は初めて見る生物や奇妙な生物などに驚きながらも、積極的に生物の採集を行っていた。今回は雨の降る中での実施だったため、岩の上で滑って転倒しないように高校生に呼びかけた。


・採集後の解説(11:15〜13:00)
班毎に採集した生物をバットに移し、生物の分類・同定を行った。図鑑で調べる事と並行して、指導員による解説を行った。
例年、簡単なスケッチをするよう指示しているが、悪天候のため、高校の先生と相談をし、写真と特徴の観察とメモに変更した。
その後、採集した生物を海に戻させ、最後に挨拶をして班を解散した。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>

実習は2回目の参加だったため、採集後の開設で話すことを事前に考え、高校生に少しでも楽しんでもらえたのではないかと思う。また、雨の中での磯採集は私自身はじめてだったため、予測が足りなかった点が多くあった。高校へ事前指導に行った際に、熱中症の注意はしたのだが、雨の場合の雨具や着替え、タオルなどの持ち物を伝えていなかったため、着替えがない子は採集後に寒がっていた。来年以降、今回の反省点を活かして、いろんな場合の予測をして実習を行いたい。当日朝は、実習中止の場合は桜修館の先生から当日6:30に連絡をもらうようにしていた。当日の天気予報が雨で中止になる可能性があったため、桜修館から中止の連絡があった場合のみTA全員にメールをする旨を伝えていた。決行と判断されたため、桜修館から連絡は来ず、私もTAに向けては連絡はしなかったのだが、他のTAから「本当に決行か不安に思った」との声が多くあったため、来年以降、当日の連絡は中止・決行に関わらず行うよう改善したい。(神経生物M1 榎本萌花)


悪天候の中の実習となったため、昨年よりも注意した点や反省点があったが、全体的にはより良い内容にできたと思う。注意した点は、怪我や事故がないように気を配ることである。思うままに行動する生徒さんの後を追えるよう服装などを気を付けていた。そのため、危ないところに行きそうな生徒さんに注意を促せた。こちらの準備も十分な備えが必要だと思った。だが、やはりグループ全員に細かな声かけが出来なかったのは反省点である。実習の様子がわかっていたこともあり、あらかじめ勉強をしておけたので、高校生と積極的に交流し採集のアドバイスもできた。また、採集後の観察の時間では、分類や進化の説明について昨年よりも出来たと思う。雨天の中でも多くの生徒さんが集中して多様な生物を採集していて、良い実習になったと思う。(環境微生物学研M2 出井愛理)


TAとしての参加ははじめてだが、例年実習には行っていた。過去かなり実習に行っているが、初めての雨での決行となった。例年通り、1時間前には、実習場所につき事前に磯確認をするはずが、あまりの雨で確認ができなかった。現地での中止もありえるとの高校の先生の指示通り動くものの、決行の可能性を考えて動いてはいた。例年体育祭後のため骨折者が必ずいて、その対応を個別的によく行っていた。今年は、はじめからの負傷者はいなかったので、みなと一緒に磯採集をし、動物を見つけると高校生に声をかけ自分で見つけさせて採集させた。ときどきいるウニのとげに刺さる生徒が今年はいた。そのためにピンセットも用意してる。例年だと泳いでしまう生徒がいるものの、浮き輪があったが、寒くてそんな感じにはならなかったので、助かった。採集後例年であれば図鑑で調べながらスケッチをするのだが、雨がやまず携帯で写真を撮ったり、その場で名前や特徴を伝えてメモして後日自分で調べてもらうという対応になった。毎年晴れなので、雨の場合をそうていしていなかったので、今後は、雨の場合の想定を踏まえて行きたい。いろいろ勉強になった。(神経生物学研究室M1 近藤日名子)


昨年度も実習のTAとして参加させて頂き、今回は2度目の参加であった。雨天の中で決行された為、最初はあまり海に入りたがらない女子生徒や、逆に採取や観察よりも海に入ることを楽しんでしまっている男子生徒もいて班をまとめるのが大変であった。時間が経つと徐々に全員が採取に夢中になって取り組んでいたが、様々な生き物を見つける為にどんどん進みたがる生徒とじっくり一箇所の様子を観察したい生徒に分かれてしまい、十分な統率を取ることができなかった。今後は私からも観察すべきポイントや生徒が面白いと思えるようなポイントをもう少し積極的に生徒に伝えながら、班ごとに一緒に進んでいけるようにしたい。その為には磯にいる生物や系統分類についての勉強が更に必要だと感じた。しかし、採取後の陸に上がってからの観察や分類では昨年度の経験を生かした指導をすることができたと思う。昨年度はTAが2人の班でもう一人の先輩のTAにほとんど頼ってしまったが、今回は1人で1班を担当した。とても緊張していたが、ケガ人を出すこともなく、無事に終了することができてよかった。今回の反省を踏まえて、是非来年度も実習のTAとして参加し、高校生の皆さんに生物の面白さを伝えたいと思う。(光合成複合微生物研究室M1 中小路菫)


今回、初めて本実習のTAとして参加させていただいた。初めてという事もあり、不慣れなところもあったが、全体的には概ねうまく参加できたのではないかと考える。特に生物の分類や構造については個人的に予習をしていたため、生徒たちに対しても十分な説明ができた。生徒たちとの関わりに関しては、特に問題はなかったが、班内すべての生徒と積極的に交流できたわけではなかったので、もっと積極的に関わることができれば良かったと思う。班内の生徒たちの行動としては、どんどん深いところまで進んでいくような活発な生徒と岩場の間の生物に集中する生徒等がいて、班内で分裂してしまった。ケガ人を出すことなく実習を終了することで来たので大きな問題にはならなかったが、事故防止のためにもあまり班員同士が離れないよう統率できればもっと良かったと考える。今回の経験を是非今後に役立てたい。(分子遺伝学研究室M1 植木晃弘)


昨年度も実習のTAをさせていただき、今回は2回目の参加であった。悪天候の中での実習ということもあり、やる気がないような生徒も見られたが、実際に自力で生物を見つけると徐々に積極的に参加できるするような様子が見られた。しかし、採集が始まると班が分かれてしまい、全員に十分な指導をできなかった。一部の生徒になってしまったが、どういったことに注意して観察するのか、また生徒たちが思わず見逃してしまうような生物について伝えることができたのは良かったと思う。次回はきちんと生徒たちの位置や行動を意識し、全員にきちんと指導したいと考える。採集後の解説では、前回はもう一人のTAの方に頼ってしまっていたが、今回は前回の経験や予習をしたことを活かし、1人で解説することができた。しかし、もっと質問をするような形式で生徒たちが参加できるような解説ではなかったため、もっとそこを意識する必要があると感じた。来年度は今回の反省点を活かし、より良い実習になるように心がけていきたいと思う。(植物発生生理学研究室M1 古磯成美)


今回、初めてTAとして臨海実習に参加した。実習当日の朝は雨天であったため、最初は実習を行うことができるのか不安であったが、実際に作業を開始する時間には小雨になり、無事に実習を決行することができた。悪天候の中、採集に消極的な生徒たちも一部いたが、ほとんどの生徒たちは熱意を持って実習に取り組んでいたと思う。雨が降っていたこともあり、足場はスリップしやすい状態であったが、生徒たちはTAの指示に従い、注意を払いながら作業を行ってくれたため、大きな怪我なく採集を終えることができた。今回の実習で採集されることが予想された生物に関しては、個人的に構造や分類についてあらかじめ勉強しておいたため、採集後の観察の時間において、最低限の説明や解説を行うことができたと思う。今後は、最低限の知識を身に着けるだけではなく、生徒たちに生物の面白さを伝えるための工夫をしていきたい。(神経分子機能研究室D3 古澤孝太郎)


昨年度に引き続き、TAとして2回目の参加となった。また今回は、実習前に高校で行う事前指導にも参加した。そのため、去年よりも動物の分類などの専門的なことはもちろん、実習中に気を付けなければいけないこと、高校生の様子などを具体的に想定してから望むことができたと思う。特に高校生の様子については、昨年うまくできなかった部分を反省し、今年に活かせた。具体的には、高校生は生物自体や生物のいる海藻の中などを探索することを怖がることが多い。そこで、安心させるような声かけや、実際に私が持って見せて大丈夫と示すなどの行動を最初から積極的に行うようにした。また最後の解説の時には、去年は分類するということの説明だけになってしまった。しかし今年は進化のうえの分類だということを意識させるように心がけた。今年の反省としては、多くの方に共通するが、大雨に対する意識が足りなかったというところである。雨の日の岩場の滑りやすさについて、私自身も経験したことが無く、的確な注意喚起ができなかった。今回で滑りやすいポイントが分かったので、そのような場所では特に注意喚起できればいい。(植物系統分類学研究室M1 酒井絵理佳)

TAとして2回目の参加でした。主な内容は昨年同様に磯で採集できる生き物の生息する環境や、動き方、特徴の観察を介して系統学的な知識を深めるというものでした。昨年度参加した際に実際に採取できる生き物の種類を覚えていたため、より迅速に多くの種類の生き物を採取できたように感じます。悪天候の中での実習となりましたが生徒もしっかりと採取を行ってくれたためケガもなく無事に実習を終えることが出来ました。反省としては実習中に班員がバラバラになってしまい度々はぐれてしまう生徒がいた点だと感じています。他の班でも同様に生徒を見失ってしまうという事が起こってしまっていたため、はぐれないように注意するとともに、班にこだわらずに周囲にいるすべての学生に注意を払うことが必要であると感じました。(神経分子機能研究室 M2 林下幹輝)


昨年度に引き続きTAとして2回目の参加となった。悪天候の中での決行だったため班内でモチベーションに差があり、まとめるのに苦労した。中には海洋生物に触ることが苦手な学生もおり、班員全員に目を配ることが難しかった。前回の反省を活かし、今回は採集や観察のポイントを作業開始前に伝えたことで学生たちの作業は多少効率良く進めてもらうことができたのではないかと感じた。また、私自身も生物をみつけるのに慣れたのか学生のアシストを前回よりうまく行うことができた。天気のせいもあるかもしれないが、採集後の観察をおざなりにしTAからの解説を頼りにして終わらせようとする生徒がいたので、観察も積極的に取り組みたいと思わせることができるよう次回は工夫したいと思った。(神経分子機能研究室M2 菊池智尋)


TAとして3回目の参加だった。初めての雨の中での実習だったので、作業の内容にいつもよりも制約がかかってしまい、なかなかうまくいかない点もいくつかあった。採集中は班員が離れ離れになってしまい、まとめるのが大変だった。採集する生物は、同じ生物ばかりでなく、いろんな種類の生物を採集するように指導した。採集後の説明は、3回目ということもあって、スムーズに行うことができたと思う。また、説明の時には雨の中で寒さもあるので、なるべく要点を手短に、かつ重要な点や生徒に考えてもらうことを忘れないように気を付けた。生徒も進んで生物の分類を考えたりまとめたりしてくれたので、よい観察ができたと思う。今後は、さらに高校生に興味を持ってもらえるような話題も含めて紹介できればさらによくなると思った。(動物生態D1 伊藤睦実)

4回目の実習参加だった。事前指導では暑さ対策を多く行ったが、当日は雨で気温も低かった。例年ほど泳ごうとする学生は少なかった。雨による波紋によって海の中が見づらく、例年よりも採れた動物の種類は少なかったように思う。また、動物も全体的に元気がなかった。そのなかで分類し説明することは難しかった。また、説明は聞く側は図鑑もメモ帳も濡れてしまい、寒さもあって集中力が持たなそうだったので短く簡潔に説明するよう心掛けた。今後は悪天候時は特に、箱メガネがあると便利かもしれない。(神経生物M2 今泉典子)

雨の中での実施であったため、例年とは逆に、体を冷やさないようにという注意喚起をすることになった。天候が悪いことは事前にわかっていたため、TAには着替えや防寒対策をするよう連絡をしていたが、高校生は着替えを持ってきていない人が多かったようで、その後の体調が心配だった。もう少し高校側と密に連絡をとれる態勢を作る必要があると感じた。(神経生物D3 奥溪)

去年に引き続き二度目の参加だった。今回は天候が悪かったため生徒にけががないよう心掛けたが、案の定けがをしてしまった生徒が出てしまったので、しっかりと監視や注意を呼び掛ける必要があると思った。また、スケッチのときは去年の反省を生かし、生き物の説明をすることができた。生き物をとるときにも同じように解説ができたらよかったと感じた。(動物生態M2 神宮彬彦)

生徒の性別を間違えてしまったので、事前にしっかりと名前を覚え確認しておくべきっだった。悪天候であったが、明るくアクティブな高校生から元気を分けてもらい、お互いに楽しく臨海実習を行えた。(動物生態D1 岸本渓)

当日は天候も悪く、また、私自身が久しぶりの海洋実習ということもあり、緊張感を持ちながら望んだ。足元が滑る中での採集だったので、兎に角、怪我をすることがないよう、注意喚起だけは念入りに行った。私が担当させて頂いた班は、落ち着いた学生ばかりで冷静に私の話を聞いてくれたので進めやすく、多くの門の生物を採集・観察できた。天候状態によって観察可能な生物が限られてくることを、今回の実習で学んだ。(神経分子機能D3 高橋美由紀)

今年初めて参加しました。事前の講習会で内容の復習ができたのは大変良かったです。当日はあいにくの雨でしたが高校生はパワフルに実習を楽しんでいたようで、彼らに目的通りにさまざまな門分類群の生物を実物を前に教えることができてよかったです。ただ、雨という事もあり、生徒の体調や安全管理には気を遣う必要があると感じました。私は教員を目指しているので、この企画を通してこのような教育方法もあることを学べてよかったです。(環境微生物M1、品田美緒)

2回目の参加で、今回は特に海に入ってしまう前に、この実習の目的と注意点を念入りに確認することを心掛けた。そのせいか、去年よりも幅広い門の動物をバランスよく観察することが出来たと思う。もちろん悪天候の中でも意欲を持って実習に取り組んでくれた生徒のおかげでもあるが、TAの存在の重要性を改めて感じた実習だった。(動物生態M1 岸村真央)

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