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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 神経分子機能研究室オープンクラス
実 施 者: 伊藤圭哉 渡邊紳一郎
実施場所: 9号館493
実 施 日: 2017年 8月 9日
対  象: 高校生5名

<概要/目的>
 生物学系の学部への進学を目指している高校生を研究室に招き、大学院生が日頃行っているタンパク質の解析実験や、神経細胞の観察を実際に取り組んでもらった。実際に手を動かしてもらうこと、そして実験の目的や原理の説明を通して、参加者に生命科学分野の研究に興味をもってもらうことを目的とした。

<方法/企画としての特徴>
1.分子量の大小でタンパク質を分別
 SDS-PAGEを用い、市販の飲料水に含まれるタンパク質を分子量の大小で分別し、その後CBB染色でタンパク質を検出した。
2.神経細胞におけるタンパク質の観察
蛍光免疫染色を用い、細胞内における特定のタンパク質の局在を観察した。

<活動内容/具体的成果>
1.分子量の大小でタンパク質を分別
 用意した市販の飲料水(牛乳、豆乳、野菜ジュースなど)・卵・ショウジョウバエ・神経細胞を事前にサンプル化しておき、参加者にはそれらのアプライと泳動をお願いした。泳動後にCBB染色を行い、各サンプルの含有タンパク質を検出した。
2.神経細胞におけるタンパク質の観察
 事前に固定した神経細胞を用い、参加者には抗体反応ならびに共焦点レーザー顕微鏡による観察をしてもらった。今回、細胞骨格のアクチンと核(核は観察しやすいため)を染色した。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
今回のオープンクラスでは、スムーズに実験が進むように事前段階からプロトコル作成、サンプルの作製、手段を入念に先生、同期の学生と話し合い行った。実際にSDS-PAGEでタンパク質を高校生の自分自身の目で見られたことは、大学の実験をより身近に感じてもらえた他、体験してくれた高校生の今後の生命科学に対する興味関心の向上に努められたと感じている。神経細胞の観察では、高校の教科書で見かけたことがあるような細胞を実際に見てもらうことができ、細胞の形態についても理解を深めてもらえたと感じている。(伊藤圭哉)

時間的制約のある中で、分子生物学の分野で基本的に行われている手法を、身近にあるものを資料として体験してもらった。例年のサンプルに加え、ショウジョウバエを高校生の目の前でサンプル化することを今年初めて試み、生体を使った実験に関してより深い理解が得られたと感じた。SDS-PAGEの原理の説明など、高校生には少し難しい部分があったと思うがタンパク質を目で見られる状態にすることに非常に興味を持っていた。プレ実験を行っていたが、自分たちで行ったときにかかった時間と高校生たちが要した時間にかなりの差異があり、予定していたタイムスケジュールが狂ってしまい、休憩時間など十分にとってあげられなかったことが反省点として挙げられる。(渡邊紳一郎)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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