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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 静岡市立清水桜が丘高等学校 夏期講座
実 施 者: 秋山礼良、大沼康平
実施場所: 静岡市立清水桜が丘高等学校
実 施 日: 2017年 8月 22日
対  象: 静岡市立清水桜が丘高等学校生徒2年生約30名

<概要/目的>
静岡市立清水桜が丘高等学校の生物基礎夏期講座に講師として参加し、受講者の遺伝・発生学などの分野の理解を深めること。

<方法/企画としての特徴>
スライドを用いた講義によって自分たちの研究やその意義について説明する。
相手が高校生であるため予備知識が大学生とは全く異なり、分かりやすく伝えるための工夫が求められる。

<活動内容/具体的成果>
ショウジョウバエを用いた講義や実物の観察のサポートを行う他、最新の研究の紹介として自分たちの行っている研究を講義形式で紹介した。
「様々な疾患モデル動物としてのショウジョウバエが利用される理由とその研究例の紹介」 (大沼)
「生物の体色から読み解く進化 -『種分化』とは何か?-」(秋山)
受講生は非常に興味深く話を聞いたり実習に取り組んでおり、遺伝学的な分野への興味が高まっていた。
多くの感想を頂いたので成果として以下に一部を掲載する。

・自分達にとても身近な虫であるショウジョウバエが全ての生物のモデルとなり、日々様々な研究に利用されて人への医療へと活用されていることを初めて知りました。また、とても小さいのに他の生物との共通の部分があることがわかりました。今日のような貴重な体験はすることがないのでとてもよかったと思いました。

・秋山さんの研究は難しい話だったが理解できる内容で、聞いてて興味をもてる内容だった。最初、生物室に来た時、「なんだ、ハエやるのか」とあきれてしまった部分があって、さらに遺伝の話であることが嫌になっていたが、意外と聞いてみるとおもしろいなという思うところが多数あった。今までイヤだった遺伝に興味をもつことができたので、今回話を聞いてよかったなと思いました。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
今回の受講生が高校生ということで、研究の細かい結果よりも「何故その研究をするのか」「何が分かって何が面白いのか」という点に注力して講義を行った。また途中でポケモンなどの興味を持ちやすい題材や、発言を促すことで興味を放さないよう気をつけた。感想を見るにその工夫による効果は十分出ていたように思われるが、それでもまだ難しいという感想もちらほら見られた。時間の制約はあるが、より基礎的なところを省かないよう丁寧に話をする事が求められるのではないかと感じている。(秋山)

当企画は高校生を対象にしたアウトリーチ活動であったため、高校生物を完全には理解していない聴衆向けの発表内容にする必要があった。そのため、発表者は発表内に出てくる専門用語の解説に力を入れた。その結果、受講者らは少なくとも専門用語は理解出来たと思われる。また、ショウジョウバエの研究の中では、医療に向けたものがあることを知ってもらうことができた。課題としては、発表内容が研究内容の説明に大きく時間を割いたため、高校生には難しすぎたように感じている。次に高校生向けアウトリーチの機会を作れるならば、研究のモチベーションや大学院生の生活など、一般的に親しみやすい内容を盛り込みたいと考える。(大沼)

©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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