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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 分子遺伝学研究室オープンラボ(17/11/3)「ようこそ分子遺伝学の世界へ」
実 施 者: 植木 晃弘、大塚 夏海、志村 知美、新森 友香、渡邊 圭佑、飯田夏実
実施場所: 8-247 専門実習室
実 施 日: 2017年 11月 3日
対  象: みやこ祭参加者

分子遺伝学研究室オープンラボ(17/11/3)「ようこそ分子遺伝学の世界へ」
植木 晃弘、大塚 夏海、志村 知美、新森 友香、渡邊 圭佑、飯田夏実
8-247 専門実習室

<概要/目的>
 本学大学祭へ来場いただく方を対象に、分子遺伝学で使う生物や実験手法、当研究室の研究紹介に関する展示を行う。大腸菌・シアノバクテリア、分子遺伝学の研究内容に対して、来場者が興味を持ってもらうことを目的とする。

<方法/企画としての特徴>
 当研究室で研究に用いている大腸菌とシアノバクテリアについてそれぞれ展示を行った。表現型の違いを顕微鏡で実際に観察し、視覚的にも分かり易く、高校生にも気軽に分子生物学の面白さに触れて貰える内容にした。また、それぞれの研究室で室内2箇所に展示を分けることで一度に多くの人への対応をできるようにした。今回の展示は発生生物学研究室と同じ会場で行った。

<活動内容/具体的成果>
1. 大腸菌の展示
・培養の様子を展示:振盪培養器を2台用意し、大腸菌培養している様子や菌を植える前の液体培地との比較を見せた。その上で、増殖の速さや実験の簡便さ等、大腸菌が研究材料として優れている点、分子生物学的な解析が最も進んでいるモデル生物の一つであることを紹介した。
・高温感受性変異株の観察:遺伝子の機能解析に用いられる高温感受性変異株について説明をし、変異の表現型が見た目で分かる高温感受性変異体を顕微鏡や視野を映したモニターで観察してもらった。高温感受性変異体としては、分裂能を失った変異体を取り上げた。野生型と比較することで視覚的な変化を見てもらい、この実験の意義と現象について説明を行った。
・当研究室研究内容の紹介:当研究室で取り扱っている、ゲノムを40%以上欠失させた大規模欠失株や、合成生物学的手法を用いて大腸菌へ光合成能を与える試みについて紹介した。また、希望者には左記に加えて、発表者が最近読んで興味深く感じた分子生物学分野の論文についても紹介した。

Fig.1 大腸菌展示の様子

2. シアノバクテリアの展示
今回は大学祭の企画としてのオープンラボということで、一般の方が多いと見込まれたので、"身近にいるシアノバクテリア"をテーマに展示を行った。住んでいる環境の多様性を説明し、そこからシアノバクテリアを研究することの面白さを伝えた。また、小さい子にも身近に感じてもらえるよう、ガリガリ君の着色料に使われていることも説明した。実際に細胞を長く放置し溶菌して青い色素が溶け出しているサンプルを見せると、ガリガリ君の色だと子どもたちは喜んでいた。
来場された方の中でも入学を希望していて生物を勉強している高校生にはもう少し専門的な遺伝子の話も織り交ぜながら説明を行った。

Fig.2 シアノバクテリア展示の様子

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 展示内容については、前回と同様なものを用いたため、準備や説明などに滞りはなかったように感じる。特に説明に関しては、前回オープンキャンパスで説明した経験を活かしてより分かり易く説明できたと思う。ただし、本学に興味のある中高生が多く見学に来るオープンキャンパスと違い、今回は小さなお子様をお連れの親子が多かったため、子どもにもわかるよう説明することには苦労した。また、展示内容に関しても子ども向けという事で、実験の展示にこだわらず、もっとポスターやイラスト等視覚的な展示を多くして全年齢で楽しめる企画にすれば良かったと考える。来年は、オープンキャンパスと大学祭でそれぞれ展示の仕方を工夫したい。誘導に関しては、発生生物学研究室と同じ部屋での展示であったので混雑が予測されたが、入室した見学者に対して互いの研究室の展示内容を説明することで、見学者の興味で自由に回って頂けたので大きな問題はなかった。(植木晃弘)

 今回は入学希望者向けではなく一般向けのオープンラボだったので、誰が聞いても分かりやすい説明、展示を心がけた。また、一般の方は本研究室だけに興味があるわけではなく他研究室の話も聞きたいと思ったので、あまり長く話しすぎるのではなく概要が分かるように手短に説明した。その中で細かい質問をしてくる方や入学希望者のようにある程度生物学の知識があり興味があるそうな方には今の自分の研究の話などをした。このように対象によって説明を変えることで多くの方に楽しんでいただけるオープンラボになったと思う。
 同じ部屋で発生生物学研究室が顕微鏡を実際に覗いてもらって胚の様子を説明していて、とても来場者の方が興味深そうに顕微鏡を覗いている姿が印象的だった。それを見て、一般の方はせっかく大学の研究室に来ているのだから普段使うことのない顕微鏡を覗いたり器具に触れたりすることが楽しいのだと気付いた。来年のオープンラボでは実際に来場者の方に手を動かしたり何か体験できるような展示を行って、もっと楽しめる工夫をしようと思った。(大塚夏海)

 前回の反省点として、研究の内容を深く説明したことがある。そのため、高校生には難しく楽しんでもらうことができなかった。そこで今回は、シアノバクテリアについて知ってもらうこと、身近に感じてもらうことを中心に紹介内容を考えた。シアノバクテリアが光合成をしていることをわかるように実験をし、また着色料として使われていることを紹介した。その結果、大人や高校生には楽しんでもらうことができた。しかしながら、今回は大学祭の期間であったこともあり、小さい子が多く来た。お子さんには難しい内容で楽しんでもらえなかった。オープンラボに来る年齢層が時期によって異なることを想定し、紹介内容を組み立てることが今後の課題である。(新森友香)

3回目の参加だったので当日の準備や来客者の対応はスムーズに行うことができた。前回の反省点を活かして、事前準備や当日の役割分担を行なったことでより円滑に運営できたと思う。何度参加しても、一般の方にも自分の研究分野について興味を持ってもらえるような導入を話すのは難しいと感じた。特に今回は大学祭期間ということもあり、想定してしていたよりも小さなお子様づれの親子や一般の方が多かったため、実際の研究テーマの話よりは大腸菌やシアノバクテリアそのものの説明の方が興味を持って聞いてもらえるように感じた。あらかじめ客層を想定して一般の方向けに導入部分の説明を厚くすること、目でみて楽しめるような展示を増やすことを今後の課題としたい。(飯田夏実)

2度目の参加となった。前回は全体の流れや紹介内容をうまく把握することができず、スムーズな立ち振る舞いが難しかったが、その反省を生かし今回は積極的に来訪者への説明などを行うことができた。今回は入学を目的とした来訪者は少なく、小さい子供やその父兄が多い印象を受けた。子供達は目でまた楽しめるシアノバクテリアそのものや顕微鏡などに関心を示していたように感じる。それを踏まえ、今後は予想される来訪者によって展示の内容を適宜変えていく必要があると感じた。(志村知美)


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