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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 宝仙学園中学校1年生-ネイチャープログラム
実 施 者: 武政智恵・石神唯・木下善仁・小林稔和・松田尚子・白井 剛・坂本信介・鈴木智之・中村亮二・伊藤兼敏・土屋香織
実施場所: 首都大学東京(生命科教養実習室・松木日向緑地・水生動物室・イニシアチブスペース)
実 施 日: 2008年 2月 13日
対  象: 宝仙学園中学校 理数インター 1年生54名

<協力者>
学部生:尾見歩惟・新倉和宏・林太朗・鈴木祐美子・粕谷雄志・小林健人
スタッフ:福田公子先生(発生プログラム研究室)、柴田淳先生(宝仙学園中学校)

<概要/目的>
私たちは大学で自然や多様な生物に恵まれた環境に日常的に身を置いている。今回、大学内に存在する緑地や生物を利用し、私立宝仙学園中学校1年生50人を対象に、大学院生および卒業研究生が自然・生命を様々な角度からプレゼンテーションを行った。この交流を通し、生物学的な知識を殆ど持たない中学校1年生に生物学のおもしろさを感じ取ってもらうことを目的とするとともに、大学院生のプレゼンテーション能力の向上を目指した。
 上記の目的のために緑地の探索・ショウジョウバエの顕微鏡観察・昆虫標本の観察・水生動物の観察・ニワトリ胚の観察の5つのプログラムを企画・実施した。
 
<プログラムの具体的な内容>
具体的には以下の5つのプログラムを実施した。
1.松木日向緑地の探索(担当:石神、松田、鈴木智之、白井、坂本、鈴木観、中村、伊藤、土屋、小林健人)        45分

2.ショウジョウバエの顕微鏡観察(担当:木下、小林稔和)25分

3.昆虫の標本観察(担当:新倉、林)                25分

4.水生動物の観察(担当:鈴木祐美子、粕谷) 25分

5.ニワトリ胚の観察(担当:武政、尾見、小林稔和)   90分
  「卵の神秘」と題しニワトリ胚の観察を実施した。ニワトリ胚の観察では3.5日間温めたニワトリの卵を自らの手で開け、血管の中を血液が流れている様子や、心臓が拍動する様子の観察を通して胚がひよことして孵化してくる前から卵の中で生命活動を営んでいる様子を観察してもらった。
 
*1は2グループ、2〜4は4グループに分けて行った。
*昼食には大学院生、学部生も参加し、中学生との交流を深めた。(学生によるスピーチ、質問会など)





<活動内容/具体的成果および改善点>
 今回のネイチャープログラムでは、分野の異なる6つの研究室の大学院生・学部生が協力し、ひとつの企画を実施した。学生は各自の研究分野を生かし、生物学的な知識を殆ど持たない中学校1年生 に、いかに興味を持たせるような企画を考え、説明をすることができるか、ということが要求された。それにより、各自の分野への理解を深めるとともに、プレゼンテーション能力を向上させるためのトレーニングになったと考えられる。
 また、本企画には17人と多数の学生が参加し、統制を取るのが困難であった。企画・準備の段階でより円滑にコミュニケーションをとることは今後の課題である。しかし、当日は各学生が協調性と責任感を持ち、自身の役割を理解し積極的に企画・実施を行ったためスムーズに進行することができたと考えている。



<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
武政:私は、5つのプログラムのうち「ニワトリ胚の観察」を担当した。アンケートから、今回のプログラムをきっかけに生物学への興味や生命の不思議を感じてもらうことができたようだ。また、プログラム実施のための企画・準備をほぼ一人で行ったため、要領のよさが求められた。さらに生物学的な知識を殆ど持たない中学生に対し、いかに興味を持たせるような説明ができるか、というプレゼンテーション能力を向上させるためのトレーニングになった。普段、交流することのない年代の学生、他研究室の学生との交流する機会が増えた点でも有意義であった。

石神:私は、松木日向緑地の探索を担当した。クイズなどを取り入れる工夫によって、ただ緑地を歩いて説明を聞くだけではなく、対象者が主体的に探したり、考えたりするアクションを引き出すことに成功したのではないかと感じた。割り当てられた1グループ45分という短い時間の中での企画であったので、緑地探索前後の導入・まとめの時間を十分にとれなかったことが反省点であり、今後の企画に生かしていきたいと考えている。

伊藤:私は、松木日向緑地の探索を担当した。各グループ45分間の短い時間の中で、いかに自然に興味を抱くのかを考慮した。担当した2グループで少し内容が異なってしまったが、概ね予定通りに行えた。ただ、もう少し最後のまとめの時間をしっかりと取るべきであったように感じたのが今後の課題である。アウトリーチ活動は何度か行ってきたが、今回の活動では他研究室との交流ができ、視野が広がった。

松田:私は、松木日向緑地の探索を担当した。ハンドブックを用いた動物の紹介から、実際に緑地に生息する動植物に触れさせたりと、いくつかの方法で中学生に生き物の説明を行ったが、彼ら・彼女らは、どの生き物かよりも、実際に手で触れられる物に強く興味を持っているようであった。対象者のそのような性質を実感することができたのは、今後アウトリーチ活動を行う上で非常に参考になった。

鈴木観:私は松木日向緑地の探索を担当した。4グループの内2グループの引率を担当した。45分という短い時間の中で効率よく生き物を紹介する工夫をした。当日、他の研究室と連携をとりつつ、緑地の紹介もおおむね予定通り行えたことは自分の自信につながった。また、1グループ目の反省点を2グループ目に反映できたことは企画を実施する上で良い経験となった。探索終了後のまとめが十分に行えなかったことは今後の課題だ。中学生が驚きの声を上げて生き物を見る様子は新鮮だった。今後中学生を対象とした活動を行う際には参考になると思う。

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グループでの活動は,最終項目のみ,全員記入ください.
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