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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 都立大附属高臨海実習の事前授業2008
実 施 者: 戸井裕子・武智玲奈・鈴木祐美子
実施場所: 都立大学附属高等学校
実 施 日: 2008年 5月 28日
対  象: 同高校2年生生物選択者65名

<概要/目的>
東京都立大学附属高校2年生の授業として毎年臨海実習が実施されている。それに先立ち、磯の環境や、採集できるであろう生物に関して授業を行った。生徒たちに磯採集についての予備知識を得てもらい、実習当日にその自らの知識を生かして採集をし、生物の多様性を感じとってもらうことを目的としている。


<活動内容/具体的成果>
1コマ(45分)×2の授業をパワーポイントを用いたスライドで行った。
企画者3人で、1人15分ずつプレゼンテーションをした。
内容は以下の通りである。

・磯採集の説明と諸注意 (担当:武智)
 磯採集を行う際の注意点(注意すべき生物や、採集に適した服装、行動など)と、潮の満ち引きについて話した。実習当日は昼の潮の干満が大きく採集に最適であり、干潮時に採集することで海の中に潜らずに多くの生物を観察できることをわかりやすく説明した。

・生物の系統分類 (担当:戸井)
 地球上の多様な生物を分類する学問がどういうものか、また分類することで進化の過程(系統)を推測できることなどを説明した。説明には磯採集で実際に見られる多くの生物を写真で示し、難しく感じさせない工夫をした。

・臨海実習に関するクイズ (担当:鈴木)
 例年、この臨海実習で見られる生物の写真を用い、磯の生物についてクイズ形式で紹介した。クイズには全然見た目がちがうが同じ門に含まれるものや、一見生物に見えないものを多くとりあげた。生徒に挙手や指名をして答えてもらうスタイルもとった。


プレゼンテーションのようす


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 実際の授業として大勢の前でプレゼンテーションを行うのは初めてだったので、スムーズでポイントをおさえたプレゼンテーションを行うことの難しさを痛感した。私の担当はクイズだったので、もっと生徒に楽しんで参加してもらえるような雰囲気作りをすべきだったと感じた。6月3日に予定されていた臨海実習が台風で中止になってしまったのが残念だが、声がかかり、7月5日に改めて企画し直すことになった。嬉しいことに、楽しみにしてくれていた生徒が多いとのことなので、こちらもそれに応えて、当日にいいアシスタントができるよう努力したい。(鈴木祐美子)

 高校生を対象にプレゼンテーションをするのは、今回で三度目の経験となった。これまでの経験をもとに、わかりやすく興味を引くような話し方を心がけることができたと思う。海の危険な生き物の紹介部分では、こんな能力を持った生き物がいるのかと、驚いた表情を見せる生徒もいた。今回の授業を通して、海にはいろんな特徴をもった生き物がいるのだということに、多くの生徒に気づいてもらえたら嬉しい。(武智)

 今回は、臨海実習の事前授業としては3回目の経験だった。今回も、前回と同じく、写真や図を多用し、また海の生物の実物(海綿スポンジ)を用いるなどして、系統分類を判り易く面白く伝えるよう心がけた。今回は、プレゼンテーション用の資料にも少し、より判り易くなるよう工夫を加えた。今回の生徒さんたちは、事前に先生から、系統分類に関するビデオなどを見せられていたということで、理解力も高いように思われ、また、授業中もこちらの話に積極的に反応してくれていた。臨海実習が台風で中止となったことは残念だったが、熱心な生徒さんたちの希望で、希望者のみであるが7月5日に実施されるとのことなので、授業の内容が役に立ち、生物の多様性とそれぞれの繋がりを実地で理解して貰えれば嬉しいと思っている。
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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