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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 神経分子機能研究室 2018/8/13 ひらめき ときめき サイエンス
実 施 者: カク アンニ、真野 叶子、知久 朋樹
実施場所: 首都大学東京 南大沢キャンパス 9号館493
実 施 日: 2018年 8月 13日
対  象: 事前募集した高校生2名

<概要/目的>
 当企画では生物に興味のある高校生が、実際に研究室で実験する。実験の楽しさ、むずかしさに触れ、より生物に興味をもつきっかけにしてほしい。また、高校では習わない実験手法の仕組みや詳しいタンパク質の解説を行うことで、生物の知識も深めることができる。
 高校では座学の授業が多く、実際に実験を行なう時間は少ない。普段当研究室で行なっているWestern Blottingなどの実験は、指導者側のテクニックが必要であるとともに、試薬なども多く必要であるため、高校の授業で行われることは少ない。そのため、高校生にとっては数少ない専門的な実験に触れる機会である。
 企画者にとっては、外部と交流する機会となる。今回は特に高校生であるため、説明などを行うときには、高校生の立場にたって考えなければならない。

<方法/企画としての特徴>
「実験体験」
 当研究室で日常的に行われているWestern Blottingと細胞の蛍光染色による観察を行った。この実験から同じタンパク質でもどのような違いがあるのか、タンパク質の見え方はどのように異なるのか考えてもらった。
「タンパク質の解説」
Western Blottingと蛍光染色の仕組みを解説した。また、タンパク質とはどのようなものなのか、高校範囲を超えて詳しい解説を行った。
「進路相談コーナー」
受験勉強や進路決定などの進路相談を受けた。

<活動内容/具体的成果>
企画者:高校生を対象に説明を行うことで、自身の実験内容についてわかりやすく説明する能力が身に付くと期待される。さらに、高校生の立場にたって、相手にわかってもらうにはどのように説明しなければいけないか考えることができる。また、高校生からの質問を受けることで、コミュニケーション能力もつくと考えられる。
対象者:普段できない実験をすることで、生物学の研究に興味を持つきっかけとなる。また理系の大学生・大学院生との対話を通して、学生が取り組む研究とはどういったものであるかを理解することができる。特に高校生にとっては、現在自身が学び得ている知識の延長上にどのような研究があり、その知識がどう生かされているのかを知ることができるため、進路決定の参考になると期待される。


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
今回のオープンラボは高校生が二人参加しました。参加したひとの生物に関する興味が深くなるのを目的として、牛乳や豆乳などの色々のタンパク質を用いて、タンパク質を分析できるSDS-PAGEを行いました。SDS-PAGEは実験してない高校生として理解しにくい内容だったと思いますが、実験を上手くできていました。(M1 カク)

私は神経細胞をactinで免疫染色し顕微鏡で観察する実験とタンパク質の説明を担当した。参加した高校生は生物に対しての関心が高く、少しでも気になったことはすぐに質問してくれた。質問のなかには難しいものもあり、私自身の勉強にもなった。タンパク質の説明では、高校生が習っている範囲を考えて、内容を考えた。相手の気持ちになって説明することや、実験を計画することができ、勉強になった。(M1 真野)

今回は高校生2名に向けて、「色々なタンパク質を見よう」ということで、数種類のジュース、ショウジョウバエの頭部、マウス脳のタンパク質をSDS-pageとCBB染色によって確認した。実験を教えるにあたって、自分が予想している以上に実験等の説明をする必要があった。このことから、面接等で自分の研究の説明をするときは、その背景をいかに上手に伝えるかが重要である、ということを学べた。(M1 知久)

(写真は当日、高校生が実際に免疫染色をして観察・撮影した神経細胞)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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