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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 植物生態学研究室オープンラボ「はじめての生態学」
実 施 者: 金城薫、田中紫苑、中越智也
実施場所: 8号館2階263室
実 施 日: 2018年 8月 18日
対  象: オープンラボ来場者

<概要/目的>
企画は、オープンキャンパスの参加者である高校生やその保護者、一緒に来場されるお子さんを対象に、当研究室の研究内容に興味を持って頂くとともに、生態学についての関心を高めることを目的とした。
また、企画を通して、改めて生態学の内容や自分たちの研究の意義や内容を再確認し、その理解を深め、来場された方からの質問を受けることで、新たな視点や研究内容をより深く発展させる。このことを目的とした。

<方法/企画としての特徴>
展示は壁面にポスター類を配置し、実験卓上に実際に手に取れる形式で実物資料を配置した。これにより、視覚・触覚情報と文章情報を統合して理解できるようにする。具体的には、ポスターとして、「生態学とは」、「小笠原諸島での研究」、研究内容のポスター、南大沢キャンパスを中心とした多摩地区の航空写真を展示する。はじめの2枚のポスターで生態学の触りや首都大で生態学を研究する上での特徴を説明する。また、航空写真を展示することで、現在の多摩地区の森の分断化をわかりやすく説明できる。
実際の植物を小地形ごとに展示することによって、生態学の疑問などが身近にあることを実感して頂くとともに、様々な植物が日向緑地に生育していることを知って頂ける。
企画の特徴としては、実際に緑地の植物の展示を行うことで、より身近な植物について知りつつ、ポスターなどの説明も加えることで、生態学についてより身近に感じられることです。

<活動内容/具体的成果>
1、研究室紹介
当研究室の紹介として、(1)(植物)生態学とはどんな学問か?、(2)小笠原諸島での食害と植生回復の研究例、(3)学生の行なった研究例。
(1)で生態学の概要を掴んでもらった後、(2)(3)というスケールの全く異なった研究を紹介し、材料や方法の幅広さを知ってもらえる構成にした。
2、松木日向緑地に関する複合展示
松木日向緑地は都市部での残存林の一つとして知られている。その松木日向緑地に生育している植物をそれぞれの小地形ごとに展示した。また、松木日向緑地を中心とした周囲の航空写真を展示することにより、都市開発により都市部での森林の孤立化をより伝えられやすくなるように工夫した。
また、学生の行なった研究例の中にも松木日向緑地をフィールドとして行なっている研究もあるため、実際に展示している植物と関連付けつつ、説明することで、研究の説明もよりわかりやすく行うことができた。
3、実際の実験器具の展示
実際の研究で利用している道具(ミニロッドや魚眼レンズ、樹高棒など)を展示した。実際に利用している道具を展示することで、その道具を研究でどのように使うのか、説明すると共に、植物生態学の研究に興味を持って頂けるようにした。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
前回のオープンラボでも、日向緑地に生育している植物と研究で使用している道具、ポスターの展示を行ったが、研究で利用している道具を展示している方にはあまり人が流れず、入口付近にのみ人が集中していた。そのため、今回は道具を展示するスペースを少し小さくし、その場所に緑地に生育している植物やトチノキの実やチョッキリに切られたどんぐりのついた枝などの興味を引きやすいものも展示することで、より人が部屋の奥にまで流れるように工夫した。その結果、より多くの方に来場して頂き、多くの植物や研究例などを伝えることができたと思う。しかし、前回以上に高校生が多く来場され、その方々に対して、より興味を持って頂けるような工夫ができていなかったようにも思える。そのため、高校生の方々にもより興味を持って頂けるように考えさせられるような内容も組み込んでいけるように工夫して行きたいと感じた。(M1 中越智也)

昨年もオープンラボの手伝いを行っていたので、今回の実施において当日の流れを把握したり、来場者の対応がうまくできたと思う。しかし、問題点も見つけられた。それは実施場所の部屋の入り口が狭い、実験机を動かすことができない、出口が入り口と同じという特徴から生じる。このため、同じ時間に来場者が集中すると入り口で詰まってしまい、中には部屋に入れないまま諦めて他の場所へ移動してしまう方の姿も見られた。これを防ぐために、部屋で展示、紹介するものの順番と配置を考え、入り口付近で人の流れが滞らないような工夫が必要だと感じた。(M1 田中紫苑)

昨年度に引き続き、二階の実験室で開催したため、涼しく快適な場所で展示ができた。来場者は開場と同時に入ってきた。準備で手間取り開場が遅れたことについては反省したい。
 内容に関して、今年も緑地で採集した植物に関心を持つ人が多かった。今年は既に植物および動物の生態や分類に興味を持った受験生の対応をすることが多く、少し専門的な内容に踏み込むこともあった。セミナーでラボのメンバーの研究内容を理解していたので、去年より説明がスムーズにできたと思う。(M1 金城薫)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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