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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 動物系統分類学研究室オープンラボ2018年11月3日「多様な生物の進化・形態・行動」
実 施 者: 庄司一貴、山田藍生、全永誠、松尾侑紀、塚本将
実施場所: 牧野標本館2Fセミナー室
実 施 日: 2018年 11月 3日
対  象: 首都大やその研究に興味のある小中高生とその親

<概要/目的>
学外からの人が自由に出入りする説明会は、我々の活動を理解して頂く良い機会である。そこで、身近な自然について考えるきっかけにしてもらうことを目的としオープンラボを開催した。本企画では、高校生や一般の人に1)虫の形の美しさ、行動や生態の面白さに気が付いてもらい、2)最先端の分類学と行動学に触れる機会を与える展示を行った。

<方法/企画としての特徴>
・標本展示; 実物を観察してもらい、構造美に気が付いてもらうことで好奇心を与える。
・生体および行動展示; 行動の面白さに気が付いてもらうともに、分類学との連携に気が付いてもらう。
・研究紹介ポスター; ポスターを呼び水に最先端の研究に触れてもらう。そして企画者らとの会話を通し、主体的に行う研究の面白さ、論的な思考がどういうものか触れてもらう。これにより研究を通して主体的に思考し行動する能力がつく可能性があることを紹介する。                                                      ・進学、進路相談; 大学を選ぶ、就職、院進学するにあたっての疑問や不安に答える。

<活動内容/具体的成果>
標本展示・整体展示・ポスター展示を通して、研究室で行っている研究内容について紹介した。また、本大学の周辺の生物を扱うことで、身近な自然についてに興味を持ってもらえるようにした。実施者各自が、自身の研究に関連した展示を自由に企画し、オープンラボ会場にそれぞれ展示ブースを設置した。


以下各々の展示を示す。
山田;ベトナム・台湾におけるフィールドワークと採集された多様な昆虫の標本および写真の展示
全;  アメイロアリの標本・サンプリングを行った地域の地図・そのサンプルからCO1領域でDNA解析しデンドログラムの展示
松尾;昆虫を用いた養育行動の進化についてのポスター・ビデオ展示
塚本;土壌動物の採集法・生殖器でわかる種内での形態の地理的分化の紹介

成果
今回の活動によって、一般の人に自然について身近に感じてもらえたと考える。また、大学の研究室でどのような活動が行われているか理解できたと思う。
企画者は今回の活動を通して、自分の研究を分かりやすく説明するかという練習になり、一般の人の自然の感じ方や我々の活動に対する考えを知る機会にもなった。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
庄司;リクルート戦略としてオープンキャンパスが果たして効果的なのか疑問。結局のところ近所の学生に大学を刷り込んでいるだけではないかと思った。遠方を含めた多様な出身地の学生確保が課題だと思った。ローカル大学としては十分だろう。
山田;次回はアリと好蟻性昆虫の共進化について詳しく展示したい。また、自分の研究を他人に伝える上でとても勉強になった。
全;この度のオープンラボでは一般の方や研究者の方、また将来に大学院進学を考えている学生など様々な目的を持っている人に訪れていただけました。その目的に沿った説明をうまくできたと胸を張って言えるかは微妙なところなのですが、接する人によってラボや研究に関する説明の仕方を変えようと務めました。
松尾;各自の展示を入れた事で、研究室の特色の「自主性を持ち、様々な研究ができる場所」ということが伝えられたと思う。入り口で「昆虫?」と言ってた人も話しかける事で展示を見て行ってくださり、昆虫やそれを取り巻く環境が少しでも身近なものになったと感じた。
塚本;土壌中の様々な生き物についてあまり知らないという人が多い印象で、採集法の実演により、見たこともない多数の土壌動物のグループが採れることに関心を持ってもらえたという感触だった。生殖器の形態の多様性についても興味を持ってもらえた方もいたが少なかったので、もう少しアピールについて考えなければならないと思った。
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY