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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 都立大附属高臨海実習の事前授業2009
実 施 者: 鈴木祐美子(神経生物学研究室)、戸井裕子(環境微生物学研究室)
実施場所: 東京都立大学附属高等学校
実 施 日: 2009年 5月 15日
対  象: 同高校2年生生物選択者64名

<協力者>
武智玲奈 (動物生態学研究室)

<概要/目的>
東京都立大学附属高等学校2年生の授業「臨海実習」に先立ち、磯採集の手法や海の動物に関するプレゼンテーションを行った。臨海実習の目的は、多くの種類の動物を観察し、動物界の構成の理解を深めることである。よって、事前授業は生徒達に予備知識をつけてもらう事を目的とし、わかりやすさと生徒の参加を重視して行った。これにより、実習当日、生徒達自身の知識を生かして採集ができるようになることが期待できる。

<方法/企画としての特徴>
プレゼンテーションは、高校の視聴覚室でパワーポイントによるスライドを用いて行った。実際の臨海実習を意識し、スライドは実物の写真を多く取り入れて作成した。特に重要な内容は、覚えてもらいやすくするためにカラーでレジュメを用意し、配布した。

<活動内容/具体的成果>
45分間の授業を2クラスに対し、
企画者と協力者3人で1人15分づつプレゼンテーションを行った。
内容は以下の通りである。

1、磯採集の説明と諸注意 (担当:武智)
  磯採集の注意(観察の方法、危険な生物の注意、ふさわしい服装)と潮の満ち引きについて。
  磯採集のコツと、実習当日の干潮時がいかに多くの生物の観察に適しているかを説明した。

2、生物の系統分類 (担当:戸井)
  系統分類学とはどういう学問かについて。
  分類が、進化の課程の推測につながることなどを簡潔に説明した。
  写真や図を多用したスライドや、海綿スポンジなど道具も用い、わかりやすさを重視した。

3、臨海実習に関するクイズ (担当:鈴木)
  例年本実習で見られる実際の生物の写真を用い、様々な磯の生き物の分類や特徴をクイズ形式で紹介した。
  選択問題を多く用い、生徒の挙手による参加型のプレゼンテーションを行った。
      

授業の様子1

授業の様子2

授業の様子3

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 私が事前授業を行うのは、昨年に続き2回目だった。生徒の授業への参加が、記憶に残る知識につながると考え、「全員参加」をより一層意識したプレゼンテーションを行った。具体的には、4択問題に対し、指名ではなく全員にどこかに挙手するよう声をかけた。それにより、昨年よりは生徒の反応を見ながらプレゼンテーションを進めることができたと感じた。
 ただ、たくさんの情報を提供しようとするあまり早口で話してしまい、聞き取りづらかったのではないかと後から反省した。次回からプレゼンテーションの際には、聞き手がメモを取れるくらいのスピードを意識して話そうと思う。     (鈴木祐美子)

 臨海実習の事前授業は、今回で4度目となる。私は今回も、従来と同じく系統分類についての授業を担当した。
今回は、昨年来の“実感させる”授業に加え、“生徒に考えさせる”ことを目指した。(具体的には、実物提示に使用している海綿スポンジを例として、その英語名称がスポンジであることから、身近なスポンジという言葉の由来が海綿にあることを想起してもらおうとした。)
しかし、今回は、生徒の事前学習の時間が不足していたとのことで、前提となる知識が昨年に比べ少なく、反応は今ひとつであった。そこで、なるべく質問形式、呼びかけなどを多用し、授業に関心を持ってもらうよう勤めた。結果としては、系統分類という、単調になりがちな授業にしては、生徒の注意を最後まで比較的高レベルに持続できたと思う。だがその反面、授業をする一種の“教師”としての立場が必要であるのに、生徒との距離が少し縮まりすぎてしまった感もあったように思い、反省している。
(戸井裕子)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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