TMU logo
生命科学専攻
トップ
「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 北区スーパーサイエンススクール
実 施 者: 浜崎真子、浦澤佳苗
実施場所: 東京医学総合研究所
実 施 日: 2019年 7月 24日
対  象: 北区に在住または在学している中高生 20名

<概要/目的>
北区在住・在学中の中学生や高校生に、研究所内の見学や実験を通じて最先端の生命科学研究を学び科学分野に興味を持ってもらい、科学研究の人材確保に貢献することが目的である。この企画では、実験で使っている細胞の観察や実験 (DNA抽出) を行い、中高生が普段経験できないようなことを体感してもらった。企画者側は企画から当日の運営までを経験することで、企画力および計画力を向上させる。さらに、実験の説明等をする際、専門知識をわかりやすく表現することを意識することでサイエンスコミュニケーション能力を向上させる.

<方法/企画としての特徴>
今回は“がんを治す薬の最前線”というテーマで企画を行なった。
1. 細胞の走化性の観察:細菌が分泌するLPSに免疫細胞が寄っていく様子の観察
2. 光る細胞の観察:GFPやRubyといった蛍光タンパクを発現させた細胞を蛍光顕微鏡で観察
3. DNA抽出:白血病細胞からDNAを取り出し、そこに蛍光色素を混ぜて3色に光らせた
お土産として、光らせたDNAや細胞が写っているポストカードを渡した。このポストカードや宣伝用のチラシの編集も企画者らが行なった。

<活動内容/具体的成果>
企画内容を考える際に、どのような内容であれば中高生に興味を持ってもらえるのかということに気をつけた。参加者のレベルに合わせた内容にするには、まず企画者自身がしっかり理解しているということや、その内容をわかりやすく伝えることの大切さを学んだ。
実習中は、専門用語を使わないように気をつけた。専門的な内容を簡単な言葉で説明する能力が鍛えられた。
お土産のポストカードのデザインは、質素なデザインではなく中高生が喜んでもらえるよう、各々の案を組み合わせて仕上げた。

<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
中高生だったのは約10年前なので、どのくらいのことまでだったら中高生も理解することができるのかあまり想像がつかず、話し方や話す内容を考えるのが難しかった。当日は、中高生が緊張していたため、打ち解けるために色々な話を振ってみたが、微笑む、頷く程度の反応しか引き出せなかった。参加者たちは、終始緊張した雰囲気だったため、どこまで理解しているのか把握できていなかった。しかし、質問してくれた参加者もいたのでそれなりの雰囲気作りはできていたのではないかと思う。課題としては、参加者にもっと楽しんでもらうために、中高生の間で流行っている内容などを事前に調査し、会話を盛り上げる準備もしておくべきだと思った。最後に、この企画を通して科学に興味を持ってくれた参加者がいたように感じられたので、科学研究の人材育成に貢献できたのではないかと思う。(M1 浜崎真子)

当日のタイムスケジュールを準備する段階でトラブルを想定したり、もっといい方法はないか?と考えたりする際に、計画力や批判的思考力の必要性を感じた。準備をこのように慎重に検討したことで、当日はスムーズに進行させることができた。しかし、DNA抽出実験では私が指導を担当したグループが他のグループよりも10分程早く終わってしまった。余った時間中に、参加者との雑談をした他、自身の背景や研究生活について話をしたが、ピペットの使い方の練習にもっと時間をかけたり、実験の原理や操作の説明をクイズ形式にしたりすることで時間を余らせることを防げたのではないか、と反省した。科学をわかりやすく非専門外の人に伝える力を身につけるため、専門知識を伝える際には専門用語を使わずに噛み砕いた表現をすることでわかりやすく伝える工夫をした。また、調べれば出てくるようなことではなく、自身の経験上の知識などを関連させ自分の言葉で話すことで、理科が好きでこのような活動を自主的に楽しんでやっているという姿勢をアピールした。今後、同様な活動をする際には、参加者が何を知りたくて[経験したくて]来ているのか?ということを考慮し、それに応じることでより高い満足度が得られるのではないか、と感じた。(M1 浦澤佳苗)

©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY