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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 神経分子機能研究室オープンラボの準備
実 施 者: 知久朋樹、真野叶子、相澤慎吾、大野誠真、大場俊弥、岡田直樹、森瑠香
実施場所: 首都大学東京8号館3F東エレベーターホール
実 施 日: 2019年 8月 1日
対  象: 大学説明会参加者

<概要/目的>
 私たちの体のほとんどはタンパク質で構成されており、体の機能はタンパク質の働きによって規定されている。タンパク質は体の中で絶えず合成され分解されることで制御されている。その制御に異常が生じると、重篤な病気につながってくる。このようにタンパク質の品質管理に関する研究は重要であり、私たちはタンパク質の働きを調べる方法として、タンパク質を可視化する方法を用いている。このような内容のポスターを作成し、実際に来場者に私たちが行なっている研究の手法を知ってもらうための実験の準備を行う。
 また来場者の中には、首都大の生命科学を進路の1つとして考える高校生やその保護者が多いことが考えられる。よって高校生たちの進路決定の手助けをすること、また研究以外の首都大の特徴や雰囲気を知ってもらうことを目的に進路相談コーナーを設けた。
 それらを通して、私たちの研究を一般の方にどう上手く伝えられるかのノウハウを考え、さらに自身の研究の意義を見直すことを目的とする。

<方法/企画としての特徴>
 私たちが行なっている大まかな研究の概要及び目的をまとめ、様々な人に理解が及ぶようにポスターを作成する。よく用いられているタンパク質の可視化に関する実験を理解してもらうために可視化したサンプルを用意する。
 私たちの企画の特徴としては、タンパク質の品質管理に焦点を当てたことである。今回は神経分子機能研究室と細胞生化学研究室が合同で行うので、両研究室の実験手法を生かしてサンプルを用意する。具体的には神経分子機能ではショウジョウバエモデルを用い生体内での観察したサンプルを用意する。細胞生化学では培養細胞を用いて細胞レベルでの観察したサンプルを用意する。

<活動内容/具体的成果>
 我々は一般の方に我々の研究について知ってもらい、さらに研究について話すことで我々の研究の意義について見直すという目的を設置した。その目的達成のため、我々は
@自分たちの研究を簡潔にまとめたポスターを作製
A実験で使用しているショウジョウバエや細胞などを準備
という2点を用意し、それらを元に我々の研究について説明することにした。
 具体的な成果としては、ある程度生物の知識のある高校生や保護者の方には伝えたいことが簡略にまとめたことでしっかり伝わった手ごたえは感じた。さらに熱心に聞いてくれたり、質問をしてくれたりと我々の研究に興味を持ってくれてそうな人も随所に見られた。ある程度我々の研究の魅力については伝わっただろう。また進路相談について応じた時も首都大の魅力についても伝えられた。しかし生物の知識があまりない方には伝えたいことが伝わらなかった印象が見られた。実際に聞いてみると、専門用語が多く、図が分からないなど様々な感想を頂いたので非常に参考になった。まだまだ改善の余地があり、今後の糧にしていきたい


当日の実施状況


<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
 今回オープンラボとして我々の研究に関するポスターを作製し、用意したサンプルと共に説明し、我々の研究について知ってもらおうと心がけた。一部の生物について前知識がある人には興味を誘うことができたと感じたが、あまり身近ではない人には理解が厳しいように感じた。私としては専門用語を避け、図も分かりやすいように心掛けたつもりであるが、それでも不十分であることが分かった。さらに説明する際も1グループに丁寧に説明をするあまり、次のグループを待たせてしまう場面が多く見られた。次回行うまでには、より分かりやすい内容でさらに要点だけをつかむような説明をすることが課題になるだろう。しかし意外と細胞を見せるだけでも興味を持ってくれている人が多く見られた。次行うときは、タンパク質を可視化する際に、肉や魚に含まれているタンパク質を可視化し見せ、より来場者に身近なものからアプローチしていくのも有効であると考えられた。(岡田 細胞生化学)

 今回のポスターを作成する上でいかに色々な方に理解していただくかという点を重視しました。自身の研究をポスターにまとめる際に、どのような方を相手にするかを考えて作らなければいけかったです。学会のようにぼくの研究内容にバックグラウンドがある方のみを対象にするわけではないので、生物学の基礎的な内容を含むのはもちろんですが、生化学にバックグラウンドがない方にも生化学を面白いと思っていただく内容にするために生化学の内容を身の回りのものを対象にしてそれを導入にしました。そこからうまく内容を展開して生化学の内容を身近に感じてもらうとともに、自分たちの研究内容を知ってもらうというアプローチをするような内容にしました。
 また実際にどのように実験データを取得しているのかを示すことにしました。具体的にはショウジョウバエの眼を見せることによってぼくたちの研究のツールを準備し、染色のデータを見せることによってどのようにタンパク質を可視化しているのかを知ってもらうことにしました。
 今回の企画を経営する上で、どのようにして分野外の方の興味を引きつければいいかを考える機会になりました。研究している僕ら自身はその分野の研究が面白いので行なっていますが、それが全員に当てはまるとは限りません。したがってどのようにすればその方たちの興味を惹きつけられるのかということを考える機会になりました。また短い時間の中で2つの研究室が合同で行う企画であったため、それぞれの良さや特技を最大限に活かせられるかを考える機会になりました。 (神経分子機能 大場俊弥)

 オープンラボ中は常に見学者の方々が部屋の中にいる状態で、各々が場所を交代しながら臨機応変に対応出来た。ポスターを用いて説明する際は、要点を見極め、例えを多く使用し、相手がどの程度の知識を持っているか、理解しているかを確認しながら説明することを心掛けた。しかし、その分野を全く知らない人に対して、こちらが伝えたいことの情報量が多すぎる部分もあった。そのため、より簡略化され、図を増やしたポスターを作り、実験器具や模型などの、実際に手に触れられるような要素を増やすことが求められる。また、実際に自分たちが実験で使用する顕微鏡や試料を実際に見てもらいつつ、自分たちがどういう研究を行っているかを説明することで、研究に対するイメージをより具体的でなものにしてもらえたのではないだろうか。
 今回のオープンラボで、多くの高校生やその親御さんに来ていただき、タンパク質に関する研究に対してより身近なものとして興味を持ってもらえたと思う。それが高校生の将来、生物の分野に進むという選択肢を増やすことになればと期待する。この企画を通して、多くの人を集め、捌くことの難しさと、自分たちの研究の伝え方を再度考える良い機会となった。(神経分子機能 相澤慎吾)

今回のオープンラボでは、説明する時に来場者の方に生物の知識やの履修状況を聞くなどして、出来るだけ来場者の方に合わせた説明をするように心がけた。相手の反応をみて、たとえを付け足したりすることで、自身の知識のより深い理解に繋がったと思う。また。説明用のポスターに加えて、実際に研究室で使用している細胞や装置を展示することで、来場者の方が興味を持つきっかけになったのではないかと思う。しかし、ポスターから展示までを一連の流れにしたため、来場者の方が最初のポスターの所で溜まってしまっていた。今後はどこから見ても楽しめるような展示の流れにしてもいいのではと感じた。(細胞生化学研究室 森 瑠香)

今回のオープンラボでは、去年の大学祭時に行った同様のイベントに比べ、はるかに多くの方々が訪問してくださった。オープンラボの内容自体は非常に関心を持っていただき、質問等もたくさんいただくことができた。したがって、訪問してくださった多くの高校生には、大学での研究を知りイメージを膨らませる良い機会になったと思う。また、私たちにとっても、初心を思い出し、新鮮な気持ちで自身の研究テーマに取り組む良い機会になったと思う。ただ、予想以上の訪問者に戸惑う点もあり、効率よく案内ができなかったため、この点を次回以降の改善点としていきたいと考えた。(神経分子機能研究室 M2 知久朋樹)

今回のオープンラボは高校生とその保護者を中心に多くの方に来て頂けた。研究内容だけでなく、研究生活や進路の質問も伺い、来場者と多くのコミュニケーションをとることができた。また、ポスターでの研究内容の説明では研究概要だけを話すことで理解してもらえることができた。アルツハイマー病などは身近な病気で、一般の方にもニュースなどで情報が入ってきやすいため、関心度が高いことを実感した。予想を超える来場者だったため、一時混雑してしまった。ある程度の人数をグループに分け、グループごとに説明する形にすることも今後考えていく必要があると感じた。 (神経分子機能 真野)

今回は事前のポスター作成と当日の説明を担当しました。全体のレイアウトや図の配置などを考えてポスターを作成しましたが、実際に説明してみて改善の余地が多くあることに気づきました。説明の順序や具体的な数値、研究内容に関連した一般例などをさらに工夫すればより分かりやすく来場者にとって興味深いものになったと思います。今後ポスターを作成する機会は何度かあるはずなので、今回の反省点を生かしていきたいです。
また来場者は当然ながら個人で知識や興味が異なっており、そのレベルに合わせて説明の仕方や内容の専門性の度合いを調節する必要がありました。このようなスキルは今後あらゆる場面で重要になってくるので、良いトレーニングになりました。(神経分子機能研究室 大野誠真)

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