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生命科学専攻
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「大学院教育改革支援プログラム」:アウトリーチ

タイトル: 大学祭でのオープンアクアリウム&オープンラボ
実 施 者: 太田雄一朗、粕谷雄志、鈴木祐美子、王穎真、黄瀬幸雄(神経生物学研究室)
実施場所: 国際交流会館前
実 施 日: 2009年 11月 1日
対  象: 大学祭に来場した一般人

<協力者>山田沙佳(神経生物学研究室)
<概要/目的>
神経生物学研究室では、末梢神経系について研究を行っている。研究材料の多くは海産無脊椎動物である。そのため、私たちは海の生き物の知識や飼育技術を身につけている。一般の方々の想像する動物は、多くの場合脊椎動物であるが、動物には軟体動物、棘皮動物、扁形動物、環状動物など他にもたくさんのものがある。また海中にはすべての動物門が含まれる。動物を脊椎動物だけという偏った見方をするのではなく、幅広い門でとらえることは、生物多様性の重要性という観点から、エコにもつながると私は考えている。またオープンアクアリウムを主催する側として、動物を展示し基本知識伝えることは自らの知識を整理し、興味深く説明するというプレゼンテーション能力を磨くことにもつながる。

<方法/企画としての特徴>
@         オープンラボ準備9:00−10:30
国際交流会館前を利用して行う。そのため、会場設置作業と飼育施設から、海水、生き物等を運搬した。またエアレーションシステムをつくり、動物が弱らない仕組みもつくった。

A オープンラボ10:30−16:00
 来校した一般人に対して、動物を見せ説明する。そのほかに実際に動物に触れてもらって、海洋生物を視覚以外の感覚で体感してもらう。終了後、動物を飼育等に戻し、後日のための片づけをおこなった。

<活動内容/具体的成果>
企画者としてプレゼンテーション能力の向上ができた。また一般人に対しては、動物には脊椎動物門だけでなく、様々な動物門がいることを伝えられた。さらに動物の知識を与えるだけでなく、実感としての興味を与えられたと思う。






<感想/課題など(企画力/評価力/自主性等の向上を含む)>
研究室でのオープンラボ、オープンアクアリウムは毎年おこなっている。今回は企画2回目ということでスムーズに運営ができたと思う。また対象が子供から大人までであったため、年齢に対応した説明をおこなった。子供たちには生き物の楽しさを、大人には動物の正しい知識を伝えられたと思う。また実際に触ってもらうことで、海の生き物を身近に感じていただけたと思う。(黄瀬幸雄)

大学祭期間中のオープンラボは対象が広くなるため、展示内容も多様さが要求される。そこで通常のオープンラボに加え、子ども向け家族向けに様々な海産動物の展示を行っている。実施者としては動物の多様性について気付くきっかけを提供したいと思うが、「食べられるのか?」「気持ち悪い」といった疑問や感想が多かった。それでも珍しい動物を見て触れたことに意味があると考えるべきか、研究室が行っている企画としてもう少し深い内容に気付けるように工夫するべきか、オープンラボが終わると毎回考えさせられる。
私にとっては最後のオープンラボとなったが、そのノウハウを後輩に伝えることが出来た。しかし私たちの代として新しいものを残せていないことは残念であると思う。(太田雄一朗)

今回のオープンラボにも多数の参加者が訪れた。やはり、海産動物の展示に興味を示す子どもの姿が目立った。今回は、イセエビ、オニヤドカリなど、大きく珍しい生物も展示していたが、どこにでもいるようなイソガニにも多くの子どもが集った。私たちが見慣れた生物でも子どもにとっては初めて見る生物で、面白いと感じることを実感した。子どもに対しては、説明というよりも、動物の触り方、持ち方などを実際にやって見せることに重点を置いた。持てたら、すごいね、と褒めることで、もっといろいろな生物に触りたいと思うようになるようだった。大人に対しては、生物がどのような実験で使われているのか、実験上の利点は何かなどを説明し、多くの人に研究や実験動物について知ってもらえたと思う。(粕谷雄志)

オープンアクアリウムは私にとって初めてだったが、頑張ってたくさんの人に研究室の動物について説明した。来た子供が多かったので、触らせたり持たせたりすることを通して動物は人間の友達だと伝えることができた。そのうちに、実験動物であるグソクムシのことをよく聞かれて、“グソクムシは深海に住でいる動物で、陸上のだんこ虫の仲間だよ”と教えてから、質問した人が“なるほど”とわかってくれた。それによって、人々とのコミュニケーションも、自分の研究を簡単に説明できることもとても重要だと思う。(王)

私は毎年この企画に関わってきた。3年目ともなると、「昨年も来た」「毎年この企画を楽しみにしている」と言って来てくださる常連さんも増え、目標である『記憶に残る企画』になっていると実感でき、とてもやりがいを感じる。今回の来場者には「海には行くが、このような動物は見た事がない」という声が多かったと思う。そのような人達には、展示している動物はほぼ全て神奈川や東京の磯から採って来たという事や、海でひとつ岩をひっくり返せばそこに様々な生き物が隠れているという事を伝えるようにした。次回は、展示している動物が自然界ではどのようなところに棲んでいるかもうまく工夫して伝えていきたい。それを通し、実際に海に行った時にこの企画に訪れて知った事を少しでも思い出し、自然を学ぶ手助けにしてもらえると嬉しい。(鈴木祐美子)
©2015 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University
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