TMU logo
生命科学科
トップ
写真

実験と自主研究によって「研究する力」を身につける。

 20世紀終盤から、ヒトを始めさまざまな生物種について、すべての遺伝情報(ゲノム情報)が解読されるようになりました。DNAの解析技術が飛躍的な発展をとげたことによって、野生生物であっても容易に遺伝子の解析が行えるようになりました。生命科学分野の研究は新たな局面を迎えています。DNA情報を活用して、生命の謎がつぎつぎと解き明かされようとしているのです。
 そうした現状を踏まえ、生命科学科では、基礎生物学・生命科学のさまざまな分野を学び、「研究する力」を身につけることを目標にしています。急速に進歩する現代社会を生き抜くには、広範な知識、技術、そして新しいことを考える力からなる研究する力が重要です。研究する力は、科学者ばかりではなく、いろいろな分野の専門職でも必要な力なのです。
 生命科学科では、分子、細胞から、集団、種、生態系まで、生命科学の幅広い分野の研究に取り組んでいます。研究材料も、動物、植物から微生物まで実に多様です。生物学・生命科学への純粋な興味をきっかけに幅広く学習し、研究する力をつける。そのために理想的な学びの環境です。研究する力を身につけ、様々な分野で活躍できる人材を育成します。
カリキュラムの特色
 プログラムの約半分を実験や実習にあてた体験重視のカリキュラムで、「研究する力」を徹底的に鍛えます。野外・臨海実習も3年次の夏休みを中心に充実しています。その中でも特徴的な科目が、1年次から自ら選んだテーマの研究に取り組む「生物学自主研究」です。この科目では、担当教員の助言を受けながら、学生が自ら研究グループを組織し、研究テーマの設定、研究計画の作成、実際の研究、そして研究成果の発表を行います。
 また、優れた生命科学研究を行うためには、国際性、コミュニケーション能力、コンピューターを駆使する能力なども必要です。そこで、英語、日本語の言語技術、さらにはバイオインフォマティクスの教育などにも力を入れています。
写真
求められる学生像
 次のような人たちと、生物学・生命科学の学習と研究を進めていきたいと考えています。
   生物が大好きで、生命について深く知りたい人
   実験・観察・研究が大好きな人
   国語、英語、化学、数学の基礎を、しっかり身につけている人
授業ピックアップ
Evolutionary Biology
写真
生物進化の観点から生命に迫る。研究のグローバル化に対応し、英語での授業を展開しています。
 生命をその進化のプロセスによって理解することをめざす学問がEvolutionary Biology(進化生物学)です。
 地球上のすべての生命は共通の祖先に起源を発し、現在までに動物、植物など多様な生物に進化してきました。奇跡のように思える生命進化のメカニズムを探っていきます。その仕組みがわかれば、自然界の仕組みについても理解できますし、他の惑星の生物を発見できるかもしれません。まだ解明されていないたくさんの謎にも興味を持ち、自分なりに考察していくおもしろさも味わってほしいと考えています。授業はすべて英語で行い、たんなるレクチャーではなく、インタラクティブに展開しています。
 英語で学ぶ最大のメリットは、世界中のリソースにダイレクトにアクセスできること。オープンな心、好奇心や自分で判断する力を養う上でも、英語で学ぶ意義はきっと大きいはずです。
 Let's learn Evolutionary biology together with enjoying yourself!
生物学自主研究
何に取り組んでも構いません。ただし研究である以上、未発掘の課題に限ります。
 その名の通り、自主的に取り組む研究です。履修対象は1年次生から3年次生。入学してすぐに研究をスタートさせる学生もいます。研究テーマは自由です。ただし、研究である以上、すでに手をつけられているものはNG。未発掘の研究テーマを探す必要があります。最近の事例としては、壁にぶつかると、右に左にと左右交互に曲がるダンゴムシの特性に目をつけ、他の虫もそうなのかとコナチャタテムシで検証を試みた学生がいました。また、ムササビの捕食特性に着目し、学会で発表するほどの成果をあげた学生もいます。グループ研究が基本です。それは、チームで取り組む姿勢や責任感にコミュニケーション力を身につけてほしいからです。アドバイザーは生命科学科の教員全員に加え、学外の研究者に頼ることも可能です。オオミジンコの研究に取り組んだ学生は、サンプルを求めて学外研究機関にまで足を運び、研究をまとめました。(福田 公子 准教授)
写真
植物系統学野外実習
写真
プロの研究者に同行して野外で研究調査を体験。
 ここ数年は伊豆大島に1週間泊まり込んで、準固有種であるハチジョウベニシダと、その近縁種のベニシダの分布について調べています。決して実習のための実習ではありません。未知の問題を解決するための調査です。そのためどのような結果がでるかわかりません。でもそれだけに、わくわくの連続です。実習の過程で、学生は調査方法、標本やサンプルの採集方法、GPSの使い方、野外調査の技術、データ解析技術などを学びます。あわせて研究者としての目、そして植物系統分類学・進化学の幅の広さと奥行きを実感してもらうことがねらいです。(村上哲明 教授)
進化生物学実験
観察、仮説、検証を繰り返し続ける、
進化研究の基本的実験手法が詰まっています。

 多様な生物の存在は、長い時間をかけて繰り返されてきた種分化がもたらした進化の歴史を物語るものです。進化を考える上でとても重要なファクターである種分化にいたる過程を、ショウジョウバエを用いて考察するのがこの実験の目的です。形や色、行動の違いとなって現れた遺伝的な違いが、求愛行動や交配にどのような影響を及ぼすのかなどを観察を通して確認。また生殖的に隔離される種分化にいたるプロセスにも思いを馳せ、その仮説を確かめるにはどのような実験が可能かと考える、進化研究の醍醐味を体験してもらいます。(橋 文 准教授)
写真
取得できる資格・免許
■学士(理学): 卒業を要件として取得できます。
■中学校教諭一種免許状(理科): 定められた教職に関する科目と教科に関する科目(講義・演習・実習)の単位の修得ならびに、卒業を要件として、教員免許状が取得できます。
■高等学校教諭一種免許状(理科):  定められた教職に関する科目と教科に関する科目(講義・演習・実習)の単位の修得ならびに、卒業を要件として、教員免許状が取得できます。
■学芸員: 定められた科目の単位の修得並びに卒業を要件として、学芸員資格が取得できます。

卒業後の進路
写真
在学生インタビュー
写真
実験プランを立て実行し成果を得る醍醐味を体験
松永 琴子 (生命科学科3年)
  私は、南大沢キャンパスに存在する窒素固定細菌を調べました。まずは11号館に面した池で、細菌を採取。窒素を固定する菌が想像以上に多様であることに驚きました。その後、採取した細菌を酸素や光の有無など条件を変えて調べたところ、酸素が少ない環境ほど窒素固定が活発化するデータを得られました。知りたいことを知るために実験プランを立案して実行することの難しさと面白さを体験しました。
写真
生命の進化について、英語による講義で学ぶ
西野 真悠 (生命科学科1年)
 生命科学科には英語課程があり、今後、英語で論文を書いたり、海外の研究者と交流したりする際に役立つと考え、受講しました。General Evolutionary Biologyという授業では、地球上に生命はどのように誕生し、進化、適応してきたのかについて学んでいます。進化学は、生物学のさまざまな分野とつながりをもちます。また、過去を学ぶだけでなく、地球上の生物の未来を考える上でも、重要な知識を得ることができました。
履修モデル
区 分 1年 2年 3年 4年
基礎科目群 基礎ゼミナール、情報科目、言語科目、理系共通基礎科目、
保健体育科目、キャリア教育
教養科目群 都市・社会・環境、文化・芸術・歴史、生命・人間・健康、科学・技術・産業 総合ゼミナール
基盤科目群 人文科学領域、社会科学領域、自然科学領域、健康科学領域






必修科目 生物学実験1・2 生物学基礎実験1・2





概説、概論、
基礎演習
生物学概説Ib
生物学概説IIb
系統分類学概論
生理学概論
遺伝学概論、発生生物学概論
生化学概論、進化生物学概論
細胞生物学概論、微生物学概論
分子生物学概論、生態学概論
生物学基礎演習1・2
自主研究 生物学自主研究1 生物学自主研究2
各論、特別
講義、演習
系統分類学各論、生態学各論
進化生物学各論、生化学各論
細胞生物学各論、遺伝学各論
発生生物学各論、生理学各論
分子生物学各論、微生物学各論
系統分類学特別講義、生理学特別講義
発生生物学特別講義、遺伝学特別講義
微生物学特別講義、細胞生物学特別講義
進化生物学特別講義、生化学特別講義
分子生物学特別講義、生態学特別講義
生物学英語演習
専門実験科目 系統分類学実験、進化生物学実験
発生生物学実験、細胞生物学実験
生態学実験、遺伝学実験
生化学実験、微生物学実験
分子生物学実験、生理学実験
生物放射線実験
野外実習、
体験実習科目
植物系統分学野外実習、生物学臨海実習
動物系統分学野外実習、生理学臨海実習
発生生物学臨海実習、生態学野外実習
生物学学外体験実習、インターンシップ
特別研究 生物学特別研究1・2
教員の専門分野・研究分野紹介
相垣 敏郎 教 授 遺伝学、分子生物学、ゲノム科学
岡本 龍史 教 授 植物発生学、植物生殖学
加藤 潤一 教 授 分子遺伝学、バクテリアのゲノム及び細胞増殖機構の研究
川原 裕之 教 授 細胞生物学・生化学(細胞の増殖・分化・恒常性維持の分子機構)
坂井 貴臣 教 授 神経遺伝学(本能行動および学習・記憶の分子遺伝学的研究)
鈴木 準一郎 教 授 植物生態学。草本植物を主な対象とした個体群、群集、実験生態学
田村 浩一郎 教 授 進化遺伝学、ゲノム科学、バイオインフォマティクス
花田 智 教 授 光合成複合微生物学、光合成細菌の分離培養・系統分類
林 文男 教 授 生態学、行動学、進化学
春田 伸 教 授 微生物生態学、環境微生物学、応用微生物学
村上 哲明 教 授 植物分類学・進化学(植物と菌類の生物学的種分類、分子系統地理)
安藤 香奈恵 准教授 神経科学、細胞生物学、分子生物学
江口 克之 准教授 動物系統分類学、生物地理学
得平 茂樹 准教授 分子生物学、分子生理学、微生物ゲノム学
岡田 泰知 准教授 進化生態学、生態発生学(動物の社会行動、性形質の進化)
角川 洋子 准教授 植物系統分類学、進化生物学
鐘ヶ江 健 准教授 植物分子細胞生物学(植物の光環境応答分子機構)
黒川 信 准教授 神経生物学、行動の神経支配機構
アダム・クローニン 准教授 行動生態学、進化生態学
鳥 直士 准教授 発生生物学(脊索動物の胚葉運命分離機構)
高橋 文 准教授 進化遺伝学(種分化の分子機構、集団遺伝学)
野澤昌文 准教授 分子進化学、ゲノム進化学(性染色体の進化機構)
福田 公子 准教授 発生生物学、消化管の分化の分子機構
©2016 Department of Biological Sciences, Tokyo Metropolitan University